歳時記トピックス

きょうは何の日? 記念日いろいろ、知っていますか?【7~12月編】

「ふくい四季のしあわせ綴り」の中から、今回は7~12月の主な「記念日」を紹介します。福井にちなんだ記念日っていろいろあるんですね。これらを知ると毎日が楽しくなるかもしれません。
 
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(1)日本の国際交流の拠点となった「敦賀港開港」/7月13日(1899年)/敦賀市

古くから大陸との交流拠点として、また江戸中期以降には北前船の寄港地としても栄えた敦賀港は、1899年7月に開港場に指定されました。1912年、東京・新橋と敦賀・金ヶ崎間に欧亜国際連絡列車の運行が始まり、シベリア鉄道を利用してヨーロッパ各国へと結ぶ国際交流拠点となりました。またポーランド孤児や外交官杉原千畝(すぎはらちうね)の発給した「命のビザ」を携えたユダヤ人難民を、敦賀市民が温かく迎え入れたエピソードが多く残ることから「人道の港」とも呼ばれています。近年では、大型クルーズ客船の寄港地として新たな賑わいを見せています。
 
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(2)現在の“王国”の始まりを告げる「恐竜の化石発掘」/8月(1988年)/勝山市北谷町

1982年に勝山市北谷町で、中生代のワニの化石のほぼ一体分が発掘され、このことが後々この土地で化石発掘を行うきっかけになったといわれています。その後、1988年8月、福井県立博物館(当時)が福井県勝山市北谷町で予備調査を実施し、肉食恐竜の歯などを発見しました。それ以降、大規模な発掘調査が継続して行われ、フクイサウルス、フクイティタンなど新種5種を含めて、日本で最も多くの化石が発掘されています。現在の「恐竜王国ふくい」は、たった一つの小さな化石から始まったのです。
 
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(3)“親切国体”の掛け声のもと県民が支えた「第23回国民体育大会(福井国体)夏季大会開会式」/9月4日~7日、10月1日~6日(1968年)/県内各地

1968年の9・10月に夏季・秋季の福井国体が開催されました。当時の18市町村63会場に全国から計約2万人の選手団を迎えて熱い競技を繰り広げた結果、福井県選手団は天皇杯総合優勝、皇后杯第4位の好成績を残しました。また、まごころでお迎えする「親切国体」のスローガンをのもとに、県民が他県選手のホームステイを受け入れました。また、参加者に画一的な食事をお出しするため、献立の選定や調理担当者への講習会が行われました。この時に、「国体の食事」というテキストも作られています。
 
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(4)始まりは灌漑(かんがい)用の井戸からだった「あわら温泉の開湯」/9月9日(1883年)/あわら市

1883年9月9日、現在のあわら市堀江十楽で灌漑用の井戸を掘ったところ、微温の湯が湧き出ました。それが名湯「あわら温泉」の始まりです。翌年には数軒の温泉宿が開業して湯治客を泊めるようになり、その後温泉街として栄えていきました。福井地震や芦原大火など度重なる災害を経験するものの、そのたびにたくましく乗り越えて復興。「関西の奥座敷」と呼ばれて関西や中京圏の利用客に親しまれ、2015年の北陸新幹線金沢開業以降は関東圏や海外からの来訪も増えています。
 
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(5)普段使っているめがねに感謝する「眼鏡の日」/10月1日(1997年)/鯖江市

10月1日を「1001」と表記すると、「1」がめがねのツルに、「0」がレンズに見立てられることから、日本眼鏡関連団体協議会が1997年に、この日を「メガネの日」と決めました。福井県眼鏡協会では、この10月1日が近づくと「めがね感謝祭」を開き、使えなくなっためがねに対して感謝の気持ちを込めて供養したり、まだ使える中古のめがねを発展途上国へ送る活動などを続けています。
 
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(6)敦賀港を支えた銀行「大和田銀行設立」/11月1日(1892年)/敦賀市相生町

1892年11月1日、大和田銀行が敦賀郡敦賀町に設立されました。設立者の大和田荘七(おおわだしょうしち)は、敦賀の発展のために奔走し、敦賀港を国際港にする活動に尽力した人物です。彼はまた海運業や貿易、銀行など幅広い分野で商売を行い、そうして成した財産を街の開発に投資。敦賀の発展のために大きく貢献しました。この大和田銀行の建物は、現在も敦賀市立博物館として利用されています。
 
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(7)雲上の珍味「若狭がれい皇室献上」/11月(1985年)/小浜市

若狭湾で捕れるカレイのうち、「若狭がれい」と呼ばれるのはアマガレイという種類。淡泊で水分の多いカレイなので、塩をして天日に干すことで身が締まっておいしさが増します。江戸時代の全国各地の名産品を収録した書物「日本山海名産図会」の中でも、「淡乾の品多しとはいえども是天下の出類雲上の珎美と云べし」と、最上級の賛辞が与えられているほど。1985年に初めて皇室献上されて以来、毎年11月末から12月の献上が続けられています。
 
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(8)福井出身の天才物理学者「南部陽一郎(なんぶよういちろう)氏 ノーベル賞受賞」/12月10日(2008年)/福井市

福井市ゆかりの理論物理学者、南部陽一郎博士が2008年12月10日にノーベル物理学賞を受賞しました。1952年に渡米し、1960年代に量子色力学と自発的対称性の破れの分野において先駆的な研究を行うなど、現在の素粒子物理学の基礎をなす様々な領域に大きく貢献。福井県では、県立こども歴史文化館に「南部陽一郎・科学ワールド」を設けてその生涯を紹介しています。南部博士は、存命中に、ふくいの子どもたちに向けて「個性をもって生きよう」「Boys and Girls Be Ambitious!」というメッセージを残しています。
 
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福井にゆかりのある記念日ってこんなにあるんですね。いくつ知っていましたか? ぜひ周りの人にも教えてあげてくださいね。

※写真は福井新聞社提供(一部除く)