ご存じですか? 福井のこんな食の風習【1~3月】
「ふくい四季のしあわせ綴り」の中から、今回はこの1~3月に見られる福井県内の主な「食の風習」をいくつかご紹介します。あなたはどれくらいご存知でしょうか?
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(1)「正月料理」は、嶺北、嶺南で味わいの違いも/1月1日/福井県内各地
日本には元日に神様がやってくるという言い伝えがあり、お供えした食べ物をいただくとその恩恵を受けられると考えられています。嶺北地方の雑煮は丸餅にカブを入れた味噌汁やすまし汁仕立てのシンプルなもの。一方、嶺南地方では黒砂糖を入れるところも。油揚げは祭りや報恩講で食べられ、坂井市竹田では寒の入りに食べると健康になるといわれます。「よろこんぶ」とかけて、祝料理にニシンの昆布巻きを食べる習慣もあります。
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(2)年末年始に疲れた胃腸を休める「七草がゆ」/1月7日/福井県内各地
春の七草とは「せり、なずな、ごぎょう、はこべら ほとけのざ、すずな、すずしろ」のこと。これを入れて作るのが七草がゆです。日本では、1月7日に七草がゆを食べる風習があります。年末や正月にごちそうを食べ過ぎて疲れ気味の胃腸を休めるという意味があり、平安時代から始まったとも言われます。
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(3)芥川賞作家が名付け親の「越のルビー」の品種登録/1992年1月16日/福井県内各地
福井県がバイオ技術を駆使して生み出し、今では特産品としてすっかり定着したミディトマト「越のルビー」。それが品種登録されたのがこの日です。越のルビーという名前は、福井県福井市出身の芥川賞作家である津村節子さんがつけられたもので、「越の国」(福井)で生まれたルビーのように真っ赤なトマトというのが由来です。
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(4)今昔物語や名作小説の題材となった「芋粥」 /1月17日/福井県敦賀市
芋粥は、平安期に編まれた『今昔物語集』に登場し、その後、芥川龍之介の小説「芋粥」の題材となりました。物語は、藤原利仁が五位の侍を敦賀に連れてきて、飽きるほど芋粥を食べさせる内容。福井県敦賀市内の天満神社には利仁公の供養塚が設置されており、今も1月17日には家臣の末裔が参集し利仁公をしのびます。敦賀市では小・中学校の給食で芋粥が提供されるほか、飲食店やホテルなどでも味わうことができます。
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(5)豊漁から生まれた「小鯛の酢漬け(笹漬け)」の樽詰め/1月中旬/福井県小浜市
小鯛の酢漬けは、一説では明治時代、若狭の海で鯛が大量に取れすぎた際、それを保存する方法を考案したのが始まりだといわれる名産品です。小浜の魚商人と交流のあった京都の魚問屋が笹の葉を加え、杉樽に詰める方法を考案しました。原料の小鯛(レンコダイ)の漁は8月中旬に解禁になりますが、初冬のころが最も脂がのって美味しいとされます。
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(6)小浜市の各地区に伝わる伝統料理「れんぼ」/1月/福井県小浜市
福井県小浜市のいくつかの地区に伝わる料理。内外海地区では小アジなどの雑魚をカラカラになるまで干してから油で揚げるか炒め、甘辛く炒りつけて出来上がり。国富地区では小魚と大根やこんにゃくを醤油で炒りつけたもので、主に冬場の常備菜となっています。お正月のおせち料理としているとろもあり、小浜市宮川地区では、大根、ごまめ、こんにゃくで作ります。いいことが長く続くように「連宝(れんぽう)」がなまり「れんぼ」になったともいわれています。
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(7)小浜に伝わる縁起物「小判菓子」のお供え/2月3日/福井県小浜市
小浜名物の小判菓子。楕円形の小判型に焼いた小麦粉のお菓子で、小浜市の一部では節分の際に神棚にお供えする風習があります。これには「一生お金に困らないように」との願いが込められており、縁起物の一種とされます。同市太良庄区の家では、カヤの葉を入れて豆を炒り、一升枡に入れて小判菓子とともに神棚に備えます。
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(8)釈迦の命日にちなんだカラフルな「涅槃団子」/2月15日/福井県内各地
主に釈迦の命日にちなむ仏教行事「涅槃会(ねはんえ)」で、参拝者や地域住民に配るまくために作るカラフルな団子。檀家や地域の人たちが集って作るもので、うるち米ともち米の粉を混ぜてこね、ピンク、黄、緑、紫、白など5色の食紅などで色を付けるのが一般的です。地域によっては持っていると魔除けや蛇除けのお守りになるといわれています。
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(9)若狭の春の風物詩「イサザ漁」の解禁/3月1日/福井県小浜市
イサザは別名シロウオと呼ばれる体長5センチほどの魚。雪解け水が満ちる3月下旬、小浜市の南川を産卵のために遡上し、川岸に木材で組まれた足場から網を使って行う漁の様子は若狭の春の風物詩となっています。透き通ったあめ色の体が特徴で、活きの良いイサザにわさび醤をかけてそのまま食べるおどり食いや、昆布だしの鍋にサッとくぐらせ白色になったところをポン酢で食べる「びっくり鍋」が珍味です。
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いかがでしたか? 各地の食の風習、いくつ知っておられたでしょうか?
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(1)「正月料理」は、嶺北、嶺南で味わいの違いも/1月1日/福井県内各地
日本には元日に神様がやってくるという言い伝えがあり、お供えした食べ物をいただくとその恩恵を受けられると考えられています。嶺北地方の雑煮は丸餅にカブを入れた味噌汁やすまし汁仕立てのシンプルなもの。一方、嶺南地方では黒砂糖を入れるところも。油揚げは祭りや報恩講で食べられ、坂井市竹田では寒の入りに食べると健康になるといわれます。「よろこんぶ」とかけて、祝料理にニシンの昆布巻きを食べる習慣もあります。
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(2)年末年始に疲れた胃腸を休める「七草がゆ」/1月7日/福井県内各地
春の七草とは「せり、なずな、ごぎょう、はこべら ほとけのざ、すずな、すずしろ」のこと。これを入れて作るのが七草がゆです。日本では、1月7日に七草がゆを食べる風習があります。年末や正月にごちそうを食べ過ぎて疲れ気味の胃腸を休めるという意味があり、平安時代から始まったとも言われます。
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(3)芥川賞作家が名付け親の「越のルビー」の品種登録/1992年1月16日/福井県内各地
福井県がバイオ技術を駆使して生み出し、今では特産品としてすっかり定着したミディトマト「越のルビー」。それが品種登録されたのがこの日です。越のルビーという名前は、福井県福井市出身の芥川賞作家である津村節子さんがつけられたもので、「越の国」(福井)で生まれたルビーのように真っ赤なトマトというのが由来です。
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(4)今昔物語や名作小説の題材となった「芋粥」 /1月17日/福井県敦賀市
芋粥は、平安期に編まれた『今昔物語集』に登場し、その後、芥川龍之介の小説「芋粥」の題材となりました。物語は、藤原利仁が五位の侍を敦賀に連れてきて、飽きるほど芋粥を食べさせる内容。福井県敦賀市内の天満神社には利仁公の供養塚が設置されており、今も1月17日には家臣の末裔が参集し利仁公をしのびます。敦賀市では小・中学校の給食で芋粥が提供されるほか、飲食店やホテルなどでも味わうことができます。
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(5)豊漁から生まれた「小鯛の酢漬け(笹漬け)」の樽詰め/1月中旬/福井県小浜市
小鯛の酢漬けは、一説では明治時代、若狭の海で鯛が大量に取れすぎた際、それを保存する方法を考案したのが始まりだといわれる名産品です。小浜の魚商人と交流のあった京都の魚問屋が笹の葉を加え、杉樽に詰める方法を考案しました。原料の小鯛(レンコダイ)の漁は8月中旬に解禁になりますが、初冬のころが最も脂がのって美味しいとされます。
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(6)小浜市の各地区に伝わる伝統料理「れんぼ」/1月/福井県小浜市
福井県小浜市のいくつかの地区に伝わる料理。内外海地区では小アジなどの雑魚をカラカラになるまで干してから油で揚げるか炒め、甘辛く炒りつけて出来上がり。国富地区では小魚と大根やこんにゃくを醤油で炒りつけたもので、主に冬場の常備菜となっています。お正月のおせち料理としているとろもあり、小浜市宮川地区では、大根、ごまめ、こんにゃくで作ります。いいことが長く続くように「連宝(れんぽう)」がなまり「れんぼ」になったともいわれています。
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(7)小浜に伝わる縁起物「小判菓子」のお供え/2月3日/福井県小浜市
小浜名物の小判菓子。楕円形の小判型に焼いた小麦粉のお菓子で、小浜市の一部では節分の際に神棚にお供えする風習があります。これには「一生お金に困らないように」との願いが込められており、縁起物の一種とされます。同市太良庄区の家では、カヤの葉を入れて豆を炒り、一升枡に入れて小判菓子とともに神棚に備えます。
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(8)釈迦の命日にちなんだカラフルな「涅槃団子」/2月15日/福井県内各地
主に釈迦の命日にちなむ仏教行事「涅槃会(ねはんえ)」で、参拝者や地域住民に配るまくために作るカラフルな団子。檀家や地域の人たちが集って作るもので、うるち米ともち米の粉を混ぜてこね、ピンク、黄、緑、紫、白など5色の食紅などで色を付けるのが一般的です。地域によっては持っていると魔除けや蛇除けのお守りになるといわれています。
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(9)若狭の春の風物詩「イサザ漁」の解禁/3月1日/福井県小浜市
イサザは別名シロウオと呼ばれる体長5センチほどの魚。雪解け水が満ちる3月下旬、小浜市の南川を産卵のために遡上し、川岸に木材で組まれた足場から網を使って行う漁の様子は若狭の春の風物詩となっています。透き通ったあめ色の体が特徴で、活きの良いイサザにわさび醤をかけてそのまま食べるおどり食いや、昆布だしの鍋にサッとくぐらせ白色になったところをポン酢で食べる「びっくり鍋」が珍味です。
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いかがでしたか? 各地の食の風習、いくつ知っておられたでしょうか?
※写真は福井新聞社提供(一部除く)