福井県は、個人所得課税に税額控除方式での「故郷寄付金控除」の創設を提案しました。そして、全国知事会や平成19年6月に設置された「ふるさと納税研究会」(総務省)において、提案の趣旨、背景などを紹介し、その必要性を訴えてきました。その結果、「ふるさと納税研究会」の報告を踏まえ、平成20年度の地方税法改正により「ふるさと納税」制度が創設されました。
多くの国民は、地方のふるさとで生まれ、教育を受け、育ち、進学や就職を機に都会に出て、そこで納税する。その結果、都会の地方団体は税収を得るが、人材を育んだふるさとの地方団体には税収はない。
このような状況が続けば、地方は優秀な人材を育む財源が枯渇し、その結果、地方が疲弊するばかりか、都市を含めた我が国社会の発展そのものが大きく阻害される。
わが国が将来にわたって繁栄していくためには、生涯を通じた行政サービスと税負担をバランスさせる新しい税制(ライフサイクル・バランス税制)が必要である。