日本海、冬の味覚の王者「越前がに」。11月に入ると解禁となり、港は一気に活気づきます。「越前がに」とは雄のズワイガニのことで、雌は「せいこがに」と呼ばれています。地元では、「せいこがに」を家庭で食べることが多く、人気があります。
「せいこがに」は25cm前後で、「越前がに」に比べると小さめ。「せいこがに」の最大の特徴は、ミソと卵です。お腹に抱いている受精卵を外子と言い、その味わいは舌の上でとろけるほど。また卵巣のことを内子と呼びますが、別名赤いダイヤとも言われています。産卵期の直前まで、どのカニも濃い橙色の成熟した卵巣を持っていて、この卵巣は、雄のズワイガニである「越前がに」では味わうことのできない珍味で、これらは高級品として珍重されています。「せいこがに」は、翌年の1月10日前後には産卵を始めるため、漁獲はこの時期まで。ですから「せいこがに」は11月の解禁から約2カ月間だけの限定の味なのです。 |
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旬の時期には、はちきれないばかりのたくさんの卵を抱えている「せいこがに」ですが、甲羅の中には、まったりとしたミソも入っています。こちらもまた美味で、そのまま食べるのはもちろんのこと、少し残して日本酒を入れ、甲羅酒としても楽しめます。身は小さいながらとても甘みがあって、これまた「せいこがに」ファンを唸らせている理由の一つなのです。 地元ファンが多い「せいこがに」は、様々な料理で食卓を賑やかせてくれます。食べられないふんどし(えら)を取り除き、殻ごと切ってスープやカニご飯にしたり。また県内でも有数のカニ漁の産地である越前町では、大根おろしとネギ、茹でた「せいこがに」を殻のついたまま細かくしたものを「なっと味噌」と呼ばれる地味噌と一緒に鍋に入れ加熱し、ご飯にかけて食べるという郷土料理もあります。
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