健康長寿・福井を代表する、越前おろしそばは、そばに大根おろしを合わせたシンプルな一品ですが、その味わいは非常に奥深く、最近では長寿食として全国でも注目を集めています。その越前おろしそばに欠かすことのできないのが大根おろしですがその中でもピリッとした辛さが持ち味である辛味大根を使った、越前おろしそば(辛味大根おろしそば)を好む人が増えています。 越前おろしそばは、「ダシと大根おろしを別にいれる。ダシに大根おろしを入れる。ダシに大根おろしの汁を入れる」など、さまざまな食し方があります。 辛味大根の栽培方法は一見シンプルです。9月の初めに種をまき、10月の終わりに収穫と栽培期間が短いのが特徴です。こやしをやるのは、芽が出た後と収穫する1週間前の計2回だけ。その間、水は一切やらず、自然に雨がふるのを待ちます。雨が降った後の芽は、見違えるほど“ぐん”と成長するのですが、辛味大根は雨に弱いという一面を持っていて、雨が多く降ると、大根が割れてしまうので注意が必要です。 |
|
また、普通の大根は根元が土から出ているので、収穫する時の大きさが目で見て判断できますが、辛味大根は土の中にすっぽりと入っているので、収穫時の大きさがわかりません。採るのが早すぎると実が小さくなってしまうので、掘り出すタイミングも難儀します。こちらで作られているのは、「辛丸大根」という辛みの強い品種で、根径が10pほどの小さなもの。肉質は緻密で水分が少ないのが特徴です。皮付きのままおろすと、より辛味が強くなります。 今回取材に伺った、そば屋を営む小林さんは「お店を訪れてくれるお客さんに安心して食べてもらいたい」という理由で、辛味大根を自家栽培しています。春と秋に収穫する辛味大根は、どちらも辛さや味に大差はありませんが、昼と夜の寒暖差が激しい秋に採れる方が器量がいいのだと教えてくれました。 越前おろしそばには欠かせない辛味大根。11月には新そばが出回ります。香り高い新そばの匂いと味わい、鼻に抜けるほど“ツン”と辛い辛味大根の絶妙な組み合わせが堪能できる越前おろしそば。一度食べればやみつきになることでしょう。 |