旬の美味しさ大解剖

水ガニ

水ガニ
[旬の時期]2月1日〜3月12日
【お問合せ】
●JF福井漁連 0776-24-1203

最も地元で愛され、甘くてジューシー、
しかも食べやすい庶民の味、水ガニ。

  毎年11月、福井の冬を賑わす越前がには、雄のズワイガニで10回以上の脱皮を繰り返しながら成長します。大きいものは体長50p以上、爪や脚も大きく、名実共に王者にふさわしく、価格も高額です。ズワイガニの雌であるせいこがには小ぶりですが内子と外子が濃厚で美味しく、比較的安価。地元ではせいこがにを好んで食べる家庭が多く見られます。

 そしてもう一つ、福井県民に絶大な人気を誇るのが水ガニです。何度も脱皮を繰り返し成長するズワイガニの脱皮直後の状態で、水分を多く含み、食べるときに脚の身が「ズボッ」と抜けることから“ズボガ二”とも呼ばれています。浜言葉でビシャガン、山陰地方では若松葉とも言われています。名前の通り、みずみずしくてジューシー、ズワイガニよりも甘みを感じる人もおり、地元では「カニの中で、水ガニが一番好き!」という人が意外と多く、庶民の味として好評です。

 越前がにや紅ズワイガニとは違い、殻が透き通るほどの色をしています。殻がやわらかいので、扱っている間に脚が取れてしまうことも多々あり、取り扱いには細心の注意が必要です。「カニの中で水ガニが一番手間がかかるんですよ」と『やまに水産』の部長である山野仁司さんは言います。

 水ガニのみならず、カニの美味しさの秘密は塩加減や茹で加減にも深く関係しています。ただ単に茹でてカニが赤くなれば良いのではなく、そこには茹で上げ職人が長年培った塩加減と技術がなくては、本物の味は生まれません。「カニ見十年、カニ炊き一生」。これは福井に伝わる言葉で、カニの目利きが満足にできるには十年かかり、カニを満足に炊き上げる(茹で上げる)には一生かかるという意味です。カニの大きさや身入りはもちろん、水揚げされた日の気候などによって、塩加減や温度、茹で時間などを調整し、絶妙な塩梅で茹でていきます。特に福井人が大好きな水ガニは茹で加減が難しく、かなりの熟練が必要となります。
 殻が柔らかい上に、取り扱いが難しく、遠方への配送にもかなり気を使うことから、水ガニの消費は大半が地元です。そんな福井人のみぞ知る水ガニを一度味わえば、その甘さと美味しさに虜になることでしょう。
一匹づつ包丁をいれる
水ガニはまず真水に入れ、締める。一匹ずつ包丁を入れ、半分にして甲羅をはずし、ふんどしを取ってきれいに洗う。かごにきれいに並べてボイルしていくのですが、ここでは一つ一つ形を作って並べることで、脚が折れ曲がったきれいな形で茹で上がるのです。水ガニは脚の部分をしばってあるのが目印。昔は縄でしばる地域がありましたが最近では衛生面の配慮もあり、抗菌性のナイロン素材の縄が使用されています。水ガニの茹で時間は約7分間。越前がにが25〜30分かかるのに比べるとあっという間です。ボイル後は鮮やかな紅色に変身します。
水ガニ まずは真水にボイル後は鮮やかな紅色に
やまに水産 山野さん【生産者の声】
やまに水産/山野仁司さん

水ガニは2月1日に解禁となり、だんだん身が詰まって美味しくなっていき、3月中旬頃まで味わえます。
協力/やまに水産
TEL 0776-81-3420
【カニ炊きで決まる味わい。】
カニ炊き 火の入り具合や塩加減などによって、その味わいに大きな差がでます。ボイルまでの丁寧な仕事や長年の経験、そして努力が県内での人気を根強く支えています。