電子政府・電子自治体戦略会議 パネル・ディスカッション概要 |
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このページは、平成17年7月28日(木)ホテルニューオータニで開催された、電子政府・電子自治体戦略会議パネル・ディスカッションでの知事の発言要旨をまとめたものです。
◇出席者 増田 寛也(岩手県知事) 山田 啓二(京都府知事) 石川 嘉延(静岡県知事) 西川 一誠(福井県知事)
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国と地方で1000兆円に上る債務を抱え三位一体の改革が焦点になっている中で、電子自治体をどう進めているか。現状と今後の戦略は。
【増田知事(岩手県)】
公共事業の借入金返済が一番増える今になって地方交付税が大幅に削減され、公共事業は2年間で30%カットした。その一方で質の高い行政サービスを実現するために、IT活用による業務改善を推し進めている。IT戦略の目標は三つ――行政コストのさらなる削減、業務プロセスの改善によるサービスの質の向上、住民参加型県政の実現である。
【山田知事(京都府)】
地方自治体は地域の力、住民の力を生かした分権型の行政を確立しなければならない。そのために府民と情報を共有し、府政に参画していただくとともに府民同士のつながりも深めてもらう必要がある。電子自治体の第一の目的はそこにあり、同時に第二として業務改革による財政運営上の効果も期待できる。
情報共有は府民との間で、市町村との間で、また職員間で実現しなければならない。そのためにデータ中心のシステム設計、Webの活用、市町村との共同開発とパッケージの活用を徹底する。
【石川知事(静岡県知事)】
企業経営的手法を行政に導入し効率的で質の高いサービスを実現する新公共経営(NPM)を行っている。NPMは政策の戦略的展開、政策目的と投入資源を明確化する業務棚卸表、フラット組織の三要素から成っており、目的指向型行政運営システムがそれを支えている。戦略展開のために10年間の総合計画で158の政策目標、数値目標を立て、PDCAサイクルを回している。予算編成や担当部署の自己評価も総合計画と業務棚卸表を通じて行っている。
【西川知事(福井県)】
電子自治体のあるべき姿は、開かれた行政、県民とのコミュニケーションを強めるものであることと効率的な行政運営に役立つことだ。まず、『開かれた行政』という面では、私は2つの新しい取り組みをしている。
一つはマニフェストであり、数値目標、期限設定、財源明示の3点セットによって、これまでの選挙が終われば忘れてしまう言いっぱなしの公約から、検証可能な住民に対する政権公約に高めたものである。
今年度は私の1期目の任期の折り返し点に当たるため、4月から私のマニフェストである『ふくい元気宣言』の中間評価を「マニフェストの達成状況(内部評価)」、「県民アンケート」、「第三者評価(有識者評価)」の3段階に分けて進めてきた。
こうした取り組みを第三者の評価委員会では「福井方式」と呼んでいただいたが、その結果は逐次HPを通じて住民に対して公表している。
効率的な行政運営に関しても、IT化の果たす役割は大きく、福井県も積極的に取り組んでいる。その結果、現在職員数は3,229人で全国一少なくなっている。
また、有事、災害時のITの役割も大きい。福井県は昨年7月18日、未曾有の豪雨に見舞われた。あれから1年が経過したが、この豪雨の教訓を活かして、本県では防災情報の充実に取り組んできた。例えば、これまでは河川水位については係数表、グラフだけの情報提供であったが、映像でも見られるようにし、より分かりやすいものになった。これからもITを活用して住民に分かりやすい情報の提供を行っていきたい。
これからの課題は情報提供のユニバーサルサービスだ。福井県には携帯電話が通じない場所が残っているが、そういうところでもIT化でユニバーサルサービスの恩恵を行き渡らせたい。
IT化がどんどん進んで便利な社会になったとは感じる。県の今後の姿として、電子自治体は県民とのコミュニケーションに大きな役割を果たすが、住民の皆さんのナマの声の迫力も大切である。パソコンなどを操作しない世代のみなさんとのコミュニケーションも重要と考えている。
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システムの発注ではどんな工夫をしているのか。
【増田知事】
最近は基本仕様書の検討を民間の専門家と共同で行ったり、職員の技術力も高まっているので、職員が設計した基本仕様書で一般競争入札やプロポーザル方式など、発注方式も多様化していくと思う。さらにオープンシステム化でいろいろな知恵を出していきたい。
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住基ネットはセキュリティが問題になっているが、原子力関係データの
漏洩(ろうえい)が問題になった県の知事としてどう考えるか。
【西川知事】
ITは新しい技術であり、さまざまな面で有効だが急ぎすぎるのは良くない。慣れてくれば落ち着くところに落ち着く。セキュリティの問題についても、メリット、デメリットを考えながら上手に利用していくという姿勢が大切になる。
そういう意味では小さいときからの教育が大切である。短絡的な議論に陥ると科学技術やITに対する成熟を阻害する。
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