「有事の際の国民保護に関するフォーラム」
での知事発言要旨

 このページは、平成15年12月13日(土)、繊協ビル8階大ホールにおいて、県と総務省消防庁が主催して開催された「有事の際の国民保護に関するフォーラム」で行なわれたパネルディスカッションでの知事発言要旨をまとめたものです。
◇パネリスト:   東尾  正(総務省消防庁次長)
          磯ア 陽輔(内閣官房内閣参事官)
          小川 英子(福井県婦人防火クラブ連絡協議会会長)  
          西川 一誠(福井県知事)
◇コーディネーター:橋詰 武宏(福井新聞社論説委員長)
◇アドバイザー : 青山 繁晴(独立総合研究所代表取締役社長)

○国民保護法制への県の取組みについて

 福井県は、原子力発電所が集中してい立地していること、過去に不審船や拉致問題が発生したこともあり、有事に対する県民の関心も高い。
 また、県民の生命、身体、財産の安全を守ることは知事をはじめとした首長の最大の責任の一つである。
 県は地方政府であり、その仕事の基礎となる法律の制定を国に任せきりにしてはいけない。立法作業の初期の段階から国に対しタイムリーな提言を行い、住民に役立つ法律となるようにする責任がある。
 このため、国民保護法制の策定に当たって、積極的な役割を地方の立場から果たすべきであると考えた。中部圏知事会における検討会の事務局を引き受け、地方の立場で提言の取りまとめを行った。その提言が全国の知事のコンセンサスを得て、今回の国民保護法制の要旨ができた。
 また、福井県に原子力発電所が集中して立地しているので、原子力発電所への対応を中心とした福井県独自の要請も行った。
 今回の国民保護法制の要旨では、提言が反映されたものがあり評価ができる。しかし、具体化されていないものや不明なものもあるため、国において、今後さらに検討するよう要請している。 

○国民保護法制の課題について

 これまで、日本の歴史をみると、事件や事故が起きて法律が整備されてきた経緯がある。我が国では、近年、有事の際に例が少なく、体験も記憶に薄くなった。
 初動が大事であり、時間が切迫している中で、国の指示を待っていられない。地元のことをよく知っている知事、市町村長に権限を与え、役割を担わせることが重要である。
 災害時のみならず、有事においても自衛隊の協力はなくてはならないものである。自衛隊の本来の任務は、侵害防御であり、国民を助ける分が手薄になる可能性が心配される。そこで、一定の余力を留保しておくことが必要である。
 住民の避難や救援を迅速かつ的確に行うためには、国と知事との間にホットラインが必要と思っている。また、高速交通体系がしっかり整備されないと避難などが円滑にできない。

○原子力発電所への武力攻撃の対処についての課題について

 現実の災害や被害は、想定より大きなもの、予想しない形のものが発生する。いわば災害の方も進化するのだ。たえず見直しながら想定、対応することが必要である。原子力発電所はどういうときに止めるのか、再開するのかなどの課題があり、運動停止指示の基準や手続きを明確にしておくべきである。
 危機管理時の日本全土の電力融通体制を確保するため、現在のような東日本と西日本で異なる周波数は困るものであり、変換する施設を増強する必要がある。
 原子力は、専門的な知識が必要なので、事業者や学識経験者、県などで組織する専門委員会を設置してもらいたい。
 また、訓練というものが、防災に対する理解度を高め、万一の場合に活かされる。このほか、高速高機能大型巡視船を配置しておくことも必要である。