福井放送番組「人間ネットワーク」での知事発言要旨

 このページは、16年2月29日(日)に放送された莫邦富氏(上海出身のジャーナリスト)との対談番組「日中間の経済交流の現状と展望」の発言要旨をまとめたものです。

<浙江省との友好提携10周年を迎えて> 

知事
 昨年、福井県と浙江省が友好提携10周年を迎えた。呂祖善省長との対談の中で、今後、経済分野に重点を置いた交流を進めていくことを合意した。また、福井県からの進出企業と浙江省の産業行政に携わる方との懇談会を実施し、これまでの交流から、一歩前に進むことができた。
莫氏
 これからの日中関係は実質的に経済交流である。日本にとっては今世紀最大の市場が一番近くにあり、しかも浙江省は最も成長著しい省だから、このチャンスを活かさない手はない。

<中国に進出して成功するために> 

知事
 進出企業の方から、現金の回収や不安定な法体系など、中国での商取引に不安を感じているという意見を聞く。中国側には、安心してビジネスができるような環境作りに努力して欲しい。
莫氏
 ビジネスの環境が日本と全く同じになったら、逆にチャンスはなくなる。今の中国には様々な問題があるが、全ての国の企業が直面する問題である。その中で、なぜある企業は成功し、他の企業は成功できないのかを考えるべきだ。今や日本企業同士が中国で競争していかねばならない状況にある。そこで、中国に進出する際の考え方として、一つの省を国と見なしてはどうかと私は思う。日本の醤油メーカーが経済的に立ち遅れている内モンゴルに進出し、大きな利益を上げている例もある。
知事
 中国は広大なので地域差も大きいが、そこにビジネスチャンスがある。発展方向をよく見極めて、ワンパターンではなく、戦略をもって企業は進出してゆくべきだと理解する。

<行政の役割について> 

知事
 日中間の経済交流が活発化する中で、行政はどういう役割を果たすべきか。
莫氏
 これからの行政は傍らで見ているだけではいけない。最近、日本の地方で、改革派の、やる気のある知事が出てきていることに私は期待している。西川知事にも率先して浙江省に行き、福井県の魅力をアピールしてほしい。

知事
 福井は、海あり、山あり、温泉ありで、日本で一、二位を争う長寿県でもある。また、永平寺など心の癒しや、コシヒカリの発祥の地で食という面でも魅力は十分である。最近、中国からの観光客が増えているようだが、福井まで足を伸ばしてもらえるよう努力したい。

<東アジアに向けた経済戦略の展開について> 

知事
 今後は、ニューヨークとミラノ事務所を廃止し、上海と香港の事務所の機能を充実するなど選択と集中を図り、中国、アジアに向けた経済活動の支援に重点をシフトしていく考えである。
莫氏
 花よりも実を取るべきである。今は、実際に商売につながる地域に重点を置いたほうがいいと思う。浙江省の企業は民営企業が多い。大半は、日本の中小企業と同じ規模であり、信頼関係は逆に作りやすい。官僚的な国有企業と違って、一緒に汗を流せば気心が通じやすいという一面がある。
知事
 進出企業をとりまく今後の環境の変化について、どういう見通しをお持ちか。
莫氏
 人民元切上げ等の問題は依然としてあるが、こうした問題は大きなリスクではなくなりつつある。企業にとって最も重要なのは、世界最大の市場となった中国で、いかに消費者の心をつかむかということである。
知事
 生産地と市場の両面を併せ持ち、かつ観光誘致という面でも有望なマーケットである中国の様々な側面をしっかりと捉えながら、県として戦略を展開していきたい。