| 「ローカル・マニフェスト推進首長連盟研修会・総会」 パネルディスカッションでの知事発言要旨 |
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このページは、平成17年4月25日(月)アルカディア市ヶ谷(私学会館)で開催された、「ローカル・マニフェスト推進首長連盟研修会・総会」のパネルディスカッション〜実践 ローカル・マニフェスト(実例紹介)〜での知事発言要旨をまとめたものです。 ◇パネリスト 西川一誠(福井県知事) 石田芳弘(犬山市長) 井原巧 (四国中央市長) ◇コーディネーター(兼パネリスト) 逢坂誠二(ニセコ町長) |
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<ローカル・マニフェストの意義について> |
| コーディネーターから、マニフェストによって何が変わったのかという点を含め、マニフェストの意義について実例紹介を求められる。それに対する知事の発言の趣旨は以下のとおり。 |
| ○ 知事 平成15年4月にマニフェスト「福井元気宣言」を掲げて福井県知事に就任し、今年平成17年の春は知事としての任期3年目に入り、ちょうど折り返し点に当たる。 知事選の際、県民から最もよく聞かれた意見は、「旧来のお役所仕事をやめてほしい」、具体的に言えば、仕事のスピードが遅い、見えにくいという地方の政治についての批判であった。 こうした県民の声を受け、昔ながらのスローガン選挙やイメージ選挙は行うまいと心に決め、政策で勝負する選挙をしようと考えた。県民が私の考えや主張を判断し、政治家としての私の実行力を評価できるようにするためには、具体性に欠ける従来型の公約ではなく、数値目標や期限を明示したマニフェスト(政策公約)を掲げることが必要だと考えたのである。 経験からいうと、マニフェストとは、首長が実行する政治の発射台を高くし、また、政治に初速度を与えるものだと考えている。 有権者にとって、首長の実行力をマニフェストの達成度によって容易かつ厳格に評価できるという長所があるだけでなく、首長にとっても、当選後、自らの責任においてマニフェストの約束をすぐに実行に移すことができるという長所を併せ持っているからである。職員も、具体的な施策や数値目標が示されていることから、すぐに事業の企画立案が可能となる。 その意味で、マニフェストは選挙の手法として有効であるだけでなく、政治を進めていく上でも非常に有用なものであると考えている。 |
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<マニフェスト型政治の課題について> |
| コーディネーターから、マニフェストを実行していく上での問題点など、マニフェスト型政治の課題について発言を求められる。それに対する知事の発言は以下のとおり。 |
| ○ 知事 私が選挙でマニフェストを掲げた当時は、「マニフェスト」と言ってもなかなか理解を得られなかったが、その後、マニフェスト選挙は国政選挙を含めて全国的に広がり、流行語大賞を受けるなど、いまやすっかりポピュラーな言葉となった。 しかし、その一方で、いろんな政治家や政党が種々様々なマニフェストを掲げるようになる中で、その中身や水準というものが問題になってきたのではないかと思う。 選挙の際にマニフェストを掲げても、成果の検証が形式化して実を伴わないものになったり、具体的な数値や期限を伴わない公約を人気取りのためにマニフェストと称するように、マニフェストとしての内味や水準が十分とはいえないものの濫発につながる恐れもある。 このようにマニフェストが一種の流行となる動きの中で、マニフェストの品質管理というものが一つの課題となってくるのではないかと考えている。 これまで福井県では「予算編成過程への県民参加」や「座ぶとん集会」などの取組みを通じ、有権者の生の声に耳を傾けながら、マニフェストを実行する首長の意思とその成果の受け手である県民の共感とが結び付くように努めてきた。 私は、マニフェストに基づく責任ある政治をさらに定着させるため、マニフェストの実行状況について、内部評価にとどまることなく、有権者である県民や外部の専門家から中間的な評価をしていただくことが必要と考えた。そこで、「福井元気宣言」の2年間の実行状況について、県民へのアンケート調査を実施するとともに、政治学や行政評価等を専門とする4人の学識者による評価委員会を設け、総合評価を行うこととした。4月21日に第1回評価委員会を開催したところであり、6月下旬をめどに中間評価の結果をとりまとめて公表し、今後の県政に反映させていく予定である。 マニフェストを評価するに当たっての統一した基準や手法は、全国的にもまだ確立されていないことから、本県におけるこの新たな試みを通じて、全国に向けて範となるようなマニフェストの総合評価のモデルとなるものをつくっていきたいと考えている。 マニフェストには、品質管理という課題がある一方で、長期的なビジョンとの関係をどう位置づけるかという課題もある。マニフェストは4年間の任期中に達成すべき目標を示したものであるため、掲げる政策も短期的な性格のものになりがちである。また、すべての政策を網羅しているわけでもないからである。 しかし、他方で、人口減少時代の到来への対応など、4年という短期のスパンでは十分に捉えきれない課題も多々あるのが現実である。これまでの2年間の取組みの中で、こうしたマニフェストの期限を超えた課題に対しても、今のうちからしっかり取り組んでいかねばならないという実感を強くした。 そこで、16年4月に20代から40代の若手職員からなる検討会を作り、自治体を取り巻く将来の様々な課題を洗い出し、2030年(25年後)を想定した福井の未来像を描くという作業をしてもらった。これは、20年、30年後に中心となって県政を担うであろう若い職員自身が、自ら担い手としての責任を意識しながら、若手としての柔軟な発想で手作りによりビジョンを描くのがふさわしいと考えたためである。 今年3月末に、この検討会がとりまとめた「ふくい2030年の姿」を発表した。これは、長期構想のような具体的施策を掲げたものでなく、現在と25年前(1980年)を比較・分析し、様々な時代の変化を示すキーワードを手がかりとして、25年後の本県の未来像を、県民の夢や希望を織り込みながら、描いたものである。 直近のことですら見通しのきかない現代においては、25年先の将来像を的確に洞察することは容易ではないことから、きっちりと決まった固定型ではなく、幅広い議論を喚起しながら、今後は足りない部分は柔軟に見直していくようなものでありたいと考えている。 |
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<質疑応答> |
| 参加者からの質問で、マニフェスト選挙にはなお制度的に制約がある、また、マニフェストは新人に有利との認識から支持者がマニフェスト選挙に消極的、などの発言があり、意見を求められる。それに対する知事の発言は以下のとおり。 |
| ○ 知事 大学改革や市町村合併なども、実際に議論が始まってから定着するまでには20年近い年月を要している。マニフェストも実際に定着していくには時間がかかるだろうが、これらの改革と同様に、確実に定着していくと信じている。 また、2年前の選挙では、新人がうまく作れないので不利という意見が多かった。実際はどちらでもないと思う。選挙では結局、マニフェストで数値や期限を示して政策を明確にするというというだけでなく、最後は『自分に任せてほしい』という、政治家の実行する人としての責任あるアピールと有権者の信頼を勝ち取る努力が大事である。マニフェストの実現は「人」にかかっているからである。「マニフェスヒト」である。 |