【知事】
災害と川あるいは水との共生ということについて、これまで我々は、これは防災、これは環境と、オール・オア・ナッシングでやってきたような感じがしますが、そこに、いろいろな問題が出ていると思います。
今回の福井豪雨に際しても、応急、復興をスピードを上げて行う必要がありますが、環境を併せて考えながら防災対策をしないといけない。例えば立派な堤防ができても生き物が住めない、人が近づけないというようなことになり、話が逆戻りになると思います。
これから考えるべき点として一例ですが、数年をかけて足羽川は2m以上浚渫することにより、川の流量が増えるという防災効果があり、底が深くなるなら、そこで船などを浮かべられないかということをあわせて考える必要があるだろうと思います。
また、今年の5月に九頭竜川の河原をサイクリングしたところ、物の見方が変わることがわかります。河原から堤防を見るような感じになります。橋のあるところ以外は堤防から河原に降りる道がほとんどなく、川が目の前にありながら、意外と堤防から河原に降りられないという、いろんな課題があることに気づきます。
また、南越前町に残っているアカタン地区の砂防堰堤や九頭竜川の昔の鳴鹿堰堤など、先人達が安全を第一にして、工夫をしながら努力してつくった立派なものを、保全し記憶に残すことが、川に親しむことにつながるのではないかと思います。
また、現在の工事中の市内のメインの橋である幸橋や今後架け替える足羽川の二本の橋についても、欄干の所に高いコンクリートを置くと車の中から川面が見えませんが、工夫して川の様子がよく見えると、川に対する親しみがわくと思います。
いずれにしても、周りから川がよく見えるように、また、水辺で遊ぶことによって川の方から外の周囲が見えるようにいろいろな工夫をしながら、安全と環境、水に親しむ親水の両立を絶えず意識することが大切でしょう。このことを行政の立場から実行し、また、地域でがんばっていただく人と協力しながら取り組んでいくことが大事だと感じました。
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「川 生命の水脈」(福井新聞平成17年5月21日 福井新聞社提供)
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「ダムや堤防だけでは洪水は防げない。多目的遊水地や住宅の雨水貯留といった総合治水対策、住民の自助・共助の精神が重要になる」と語るのは西川一誠知事。「最新の技術と環境の視点。二刀流の両面作戦でいきたい」と力を込める。源流の森から海に注ぐ河口まで一つの連なりとしてみる意識も強い。
柔軟で複眼的な姿勢と発想は、減災文化の構築に関してだけではない。「近くの山に登れば流域を眺められる。川の中から街を眺めれば視点が変わる。川の性質を見極め、水や川を生かしたまちづくりにつながる。足羽川の川床を掘削すれば舟運を復活できるし、県庁周辺のお堀に舟を浮かべたっていい」。地域の顔として個性あふれる川をつくれば、地域のブランド、資源にもなる。
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