FM福井ボンジュールコーヒー(第1回)

 このページは、平成17年10月18日(火)放送のFM福井のトーク番組「ボンジュールコーヒー」での知事の発言をまとめたものです。(インタビュアーはFM福井の黒川元司アナウンサーです)

【黒川】
 知事はお仕事がお忙しいので、プライベートで喫茶店というのはあまり行かれないんじゃないですか。
【知事】
 そうですね。学生時代は1日中喫茶店におりましたが。
【黒川】
 お勉強は?
【知事】
 勉強をしようと思いながら、雑誌を読んでコーヒーを何杯もいただいて、昼はその喫茶店でカレーライスを食べて。何年か前、30年ぶりくらいかな、その喫茶店に行きましてね。
【黒川】
 知事がお持ちになられた文庫本はどのようなご本ですか。
【知事】
 これは「猿飛佐助」という漫画です。あまり意識しませんでしたが、著者は杉浦茂さんという方です。
 これは文庫本ですけれども、小さい頃は同じ表紙の普通の大きさの漫画がありまして、これを姉に買ってもらったりして、漫画の愛読者でしたね。
【黒川】
 ずいぶん漫画もお読みになったんですね。
【知事】
 読みましたね。僕らの小さい頃は、まだ小学生の時代にはテレビがありませんでしたから。漫画、それから少年雑誌。それから映画ですね。私が住んでおりました、今は越前町ですけども、朝日町。劇場が1つありまして、毎週時代劇、チャンバラの映画を見ました。
【黒川】
 その当時は福井のいろんな地方のまちにも映画館がありましたよね。
【知事】
 ありましたね、1軒ないし2軒ね。
 今の時期になると、田舎芝居、お芝居のグループが来てね。忠臣蔵とか国定忠治とかをやっていて、それも見に行きましたよ。
【黒川】
 町内の神社の祭りなんかでも、そういう人達が回ってきて、やったりしましたよね。
 知事にお伺いしたいことがあるんですが。
【知事】
何でしょうか。
【黒川】
 私、三国生まれの三国育ちなんですけどもね。東京に学生時代に住んでたことがあったんです。その当時、随分悔しい思いをしたのが、どこの出身だ?福井の出身というと、よく言われることで、大概、九州か東北に間違えられる。知事の前でこういうことを言うのも何なんですが、福井ってわりと有名じゃないなと思うんですよね。知事、どうですか。そういうことを感じられたことはありますか。
【知事】
 近畿あるいは関西には良く知られていると思いますけど、東京から見ますとちょっとどうでしょうかね、新幹線でどうやって行くのだろうかとか、地理的な不案内さがあるのかもしれませんね。
 これは我々のPRということもありますけども、もう1つは社会科の教育の問題もありますね。
 先日、「萩原朔太郎賞」をお受けになられました荒川洋治さんの随筆を読んでおりましたら、荒川さんは地図を見るのが大変お好きで、いろんな日本の地図を見ているそうです。大学院で教えておられますが、学生に、ある県の名前を2つ挙げて、どこにあるか尋ねると全くわからないというんですよ。全般的な傾向としてそういうのがあると思いますけども、とはいえ福井のことをわかっていただかなければいけませんから、もっともっとPR―今一生懸命やっておりますけれども―したいと思います。
【黒川】
 そういう意味では、よくブランドと言いますけれども、例えば連想ゲームみたいに、私の祖母は静岡ですから、静岡だったらお茶とか富士山とかありますよね。そういうブランドって重要だなと思うんですが、知事はブランドに対してどのようにお考えでしょうか。
【知事】
 私もマニフェストで県政をやっており、ブランドというものをそこで意識したんですよ。それで、具体的なプロジェクトとして、ブランドという名前でいろいろな仕事をしております。そうしたら他の県もほぼ同じ時期にブランド、ブランドと、もうここ1年ブランドばやりですよね。
 ちょっとこれはブランドの使いすぎかとは思いますが、やはりブランド、あるものをトータルにまとめて、その地域を売り出すということが作戦だと思いますね。
【黒川】
 そういう意味では福井県もブランド戦略を立てていらっしゃいますよね。
【知事】
 ええ。「健康長寿」を売りにしたいと、今、実際に活動しています。男性も女性もともに長生き最上位にありますから、文字通り世界一の男女協働の長寿県だと思います。これに食べ物やいろいろな癒し、また東尋坊、永平寺、観光などを組み合わせていく。福祉も充実しておりますから、観光と結び付けていくブランド戦略を進めています。また他の県ではあまり言っておられませんが、ブランドをうまく運用して、これが我々の「プライド」、自信と誇りにつながっていく。これは歴史上の人物、郷土の先人を顕彰して、ともに昔の人達の努力を感じるというプライドですね。こういうことを今、進めたいと思っています。そこがちょっと他の県と違うんです。
【黒川】
 具体的なブランド推進の事業を教えていただけますか。
【知事】
 そうですね。ご出身の三国には、いろんな古い民家を活用した三国湊のプロジェクトがあります。三国には立派な歴史的な遺産があり、たくさんの詩人も出ておられますよね。
 最近三国にはおいしいアイスクリームもあって、だんだん広がっていくと思います。ブランド推進の事業は、まず第1にビジネスにつなげていくことが必要です。それからもう1つには、長続きをする必要があります。それを支える地域のグループですね。これはたくさんいらっしゃったほうがいいんです。そういうことを組み合わせて三国でのブランド戦略を立てる。それから嶺南地域ですね。来年秋には敦賀まで快速電車が走ります。敦賀にはラーメン、かまぼこ、こんぶなどの名産がありますので、それらを活用した観光ブランド戦略を進める。さらにこの秋から三方五湖はラムサール条約の登録対象になりますから、そういういろんなものを広げていく。人材がその地域で活躍する、ビジネスにつなげるという方向を目指したいと思っています。
【黒川】
 今まで福井のブランドを考えると、私は、三国の越前がにとか、何か特別なものばかり思い浮かべていましたけれども、今、知事がおっしゃった敦賀のラーメンなど、意外に生活に身近なものがブランドになっていくんですね。
【知事】
 先般、立命館大学で講義をしまして、学生の皆さんたちが福井の何を一番知っていらっしゃったかと言いますと、やはり「越前がに」と「ふぐ」でした。
 食べ物はやっぱり大事ですね。しかしそれだけではなく、もっと幅広く複合させる。福井にはそれだけではなく、他にもいいものがたくさんあります。それからもう1つ、全国から福井へ多くの方がUターンではなくIターンされている、もともと福井にご縁のなかった方ですが、ご夫婦で福井で農業を10ha以上やっておられる方がいらっしゃいます。もう福井で始めて5、6年になるそうですが、その方と福井のイメージはどうだろうというお話になったんです。いらっしゃる前は非常にグレーな感じ、灰色と思っていらっしゃいました。実際に福井で様々なことを経験すると、ブルーに緑が混じっているような印象で、こんなすばらしい所はないとのことでした。また福井へおみえになった若い農業者がおっしゃるには、非常に住みやすくてうれしいとのことです。このように良い部分がたくさんありますから、福井県はこれからの時代に合ってると思います。そういうものをしっかり生かして、たくさんの人たちが住んでほしいですね。
【黒川】
 今日、知事とお会いして、初めて映画のお話だとか、猿飛佐助なんていう漫画を読んでらっしゃったとか。そういう意味では知事さんご自身が福井県の1つのブランドという気がいたしました。言い方は失礼なんですけども。この間、県のホームページを拝見していましたら、いきなり知事の似顔絵から始まるんですね。おもしろいですよね。
【知事】
 似てますか?
【黒川】
 似てるような気がします。(笑)
 ご不満ですか?
【知事】
 いやいやいや。あまり実物よりも良すぎちゃう感じですけれど。(笑)
 珍しいんですよ、ああいう似顔絵、イラストで描いているのは。県庁職員が描いてくれてるんです。
【黒川】
 そうなんですか。
 ある親しみを持って、知事を福井のブランドというか、1つの旗頭にしているというのは、温かくていいですね。
【知事】
 そうですね。先般、知事に就任してちょうど2年が過ぎましたのでマニフェストの中間評価をしていただいたんですが、専門の先生が、これからは知事とか市町村長さんがブランド的な役割を果たす時代ではないか、ということをおっしゃっていました。
【黒川】
 そういう意味では、新聞を拝見しましたら、知事ご自身も全国知事会で憲法問題特別委員会の委員長をされてますよね。
【知事】
 そうですね。今、憲法論議が非常に盛んになってきまして、地方分権、地方自治をどうするかということが憲法に必ずしも十分に書いてありません。だからいろんな仕事をするときに、いまひとつパワーが発揮できないんです。ですから憲法問題の特別委員長を仰せつかって、全国の知事とこれから国へいろんな提言をする準備をしている真っ最中です。
【黒川】
 そういう意味で、知事ご自身が先頭に立って、ご自身の似顔絵を前に出して、福井をPRしていただけるというのはたいへんありがたいことです。これからどんな点をブランドと絡めてPRしたいとお考えですか。
【知事】
 かなりポイントを押さえた、各方面の具体的な方向づけと、もう1つは長続きする作戦ですね。数年で嫌になったり、息切れしないことを目指しています。特に福井は歴史が優れています。先輩、由利公正の五箇条の御誓文なども購入させていただきましたので、そういう歴史上の素晴らしい人物などをしっかり表に出して、福井の良さに我々も自信と誇りを持つ。そして外にも知っていただく。多少、福井は奥ゆかしいところがありますから、奥ゆかしさもブランドかもしれませんね。奥ゆかしさも含めながら、もっとアピール度は強くして、トータルでブランドにしたいと思います。
【黒川】
 なるほどね。
 秋ということで、食べ物もおいしいですしね。
【知事】
 そうですね。また、いよいよ今月末からは、国民文化祭が始まります。
【黒川】
 そういう意味では、今年は福井をPRする絶好の機会ですね。
 文化というお話が出ましたけど、漫画と映画以外に何かご趣味というのは。
【知事】
 最近あまりやっておりませんが、俳句を一時やっておりましたけども。
【黒川】
 俳句の大会も国民文化祭、あるんですよね。
【知事】
 ありますね。敦賀で開催されます。今から楽しみですね。
【黒川】
 今日はどうもありがとうございました。
【知事】
 ありがとうございました。