年末に当たっての知事あいさつ

 このページは、平成16年12月28日(火)、年末に当たって職員に向けて庁内放送された知事のあいさつをまとめたものです。


 本日で、平成16年の勤務も終わりとなります。今年もこの庁内放送を通して皆さんにごあいさつをさせていただきますので、しばらくの間お時間をお借りしたいと思います。

 まず職員の皆さんにこの一年のお礼を申し上げたいと思います。本当にご苦労様でした。今年は、全国的に災害や事故の多い一年でした。本県では2月に関西学院大学のワンダーホーゲル部の学生が、勝山の大長山(おおちょうざん)で遭難する事故が起きました。地元の警察や消防、そして自衛隊など多くの方々のご尽力により幸いにも全員無事に救助することができました。

 また、7月18日には忘れることのできない福井豪雨災害が起きました。県内各地に甚大な被害が生じ、今なお復興に向けての取組みが進んでおります。8月9日には関西電力美浜発電所3号機の蒸気噴出事故で5人の尊い命が失われました。今後二度とこうした事故が起きないよう万全の対策を講じていかなくてはなりません。10月には台風23号が嶺南地域の農林水産業に大きな被害を及ぼすなど、本当に一年を通して災害、事故対策に追われる年でありました。

 こうした中、職員の皆さんは本当によく頑張っていただきました。皆さんの中にも豪雨により被災された方もおられたと思います。被災者でありながら、県内の各地の復旧に向けて一生懸命取り組んでいただいたことに心から感謝申し上げます。

 災害対策本部での情報収集や被災地でのボランティア活動などさぞかしたいへんであったと思います。ここまで早期に復旧ができましたのは職員の皆さんの力によるところが大きかったと私は思っております。民間ボランティア団体との連携の速さも際立っておりました。

 昨日、グッドジョブ賞、グッドウィル賞の授与式がありました。特に賞状は差し上げませんでしたが、昼夜を問わず災害への対応に尽力した職員は全員がグッドジョブ賞に、また、ボランティア活動に積極的に参加した職員は全員がグッドウィル賞に値するものと私は思っております。

 災害を未然に防ぐことは難しいことですが、いざ災害が生じたときにいかに早く行動するかはたいへん重要であります。そうした観点から、私自ら先頭に立ち、できるだけ早く指示を出すよう努めながら災害対策に全力で取り組んできました。被災地の一日も早い復興にこれからも努めていきます。

 一方で、県政にとって明るい話題もありました。5月には、日本中が待ち望んでいた地村さんのお子さんたちが帰国されました。これは私にとってもたいへん嬉しいニュースでありました。お子さんたちが日本での生活に支障のないよう、県としてもできる限りの支援を継続していきたいと考えています。

 また、秋には本県出身で日本の漢字研究の第一人者である白川静先生が文化勲章を受章されました。高齢になられてから字書三部作を完成されるなど、学問に打ちこむ真摯な姿勢は私たちも見習うべきものです。

 そして、今月16日には北陸新幹線の福井駅部の認可と来年度の着工が決定いたしました。県民の長年の悲願が実現したことは本県にとって大きな成果であります。舞鶴若狭自動車道や中部縦貫自動車道についても事業が進展した年でした。

 さて、私は年度当初のあいさつの中で、管理職の皆さんを前に二点ほどお願いをしています。これは、職員の皆さんすべてに共通する内容でもありますので、そのことについてまずお話し申し上げます。

 一つは、部や課の壁を超えて県庁全体で仕事をしていただきたいということでした。今年から、実際に部や課の仕切りを取り除いたので、職場環境としては風通しがよくなったと思います。しかし、部や課は仕事を進める上での便宜上の区分でしかありません。仕事を小さく考えず、部局の枠を超えて共通の目標を持ち、県民の視点に立って各部門が何をすべきなのかをしっかり考えて仕事を進めていただきたいと思います。

 もう一つは、県民の皆様の声に耳を傾けていただき、創意工夫をして仕事し、反映させていくことをお願いしました。私は、座ぶとん集会や女性会議を通して、県民の皆様の声を直接聞くことがいかに大切かを身をもって経験しています。ちょっとした一言に私たちが見過ごしていたことが含まれていたり、これまで当たり前と感じてしてきた仕事が十分でなかったことに気づかされることが多くあります。

 例えば、行政が発信する情報がいかに届いていないかということを考えたことがあるでしょうか。県から発信する情報を100とすると、県民の皆様に届くのはせいぜい20〜30程度でしかありません。体が不自由な方であれば更に情報に接することが難しくなります。行政の仕事は情報を発信して終わりではありません。相手の立場に立って情報が手に入りやすい環境を整えていくことも重要です。そのためには、情報発信の仕方を考えることも必要になってくると思います。

 今のは一つの例えでありますが、常に厳しい目で県庁の仕事は見られています。

 職員の皆さんには、日ごろから、県民の皆様の立場でよく考えながら仕事を進めてください。そして、何を求めておられるかをよく理解しながらフレキシブルに仕事に取り組むよう心がけてください。

 受身の仕事をしているだけでは、クリエイティブな仕事をすることは困難でありますし、県民ニーズに応えていくこともまた難しいということをよく認識していただきたいと思います。

 来年は私が知事に就任して3年目を迎えます。今年はマニフェストに掲げた政策を具体化した年でした。来年は更に成果を上げていく年にしていかなくてはなりません。マニフェストは通過点であり、それを超える仕事を皆さん一人ひとりが努めていくようお願いいたします。私自らが先頭に立ち頑張ってまいりますので、皆さんもそれぞれの立場で能力を発揮していただき、私とともに「プライド福井」の創造に向け力を合わせていただきたいと考えております。そして、本当の意味で元気な明るい県としていくことが最も大切であります。皆さんお一人おひとりが前向きに仕事に取組んでいただくことを期待しています。

 普段はなかなか忙しくてまとまった休みもとれないと思います。年末年始の間はゆっくり体を休めていただき、家族の皆さんと過ごす時間を取ってください。そして、来年また元気に仕事に戻られることを期待しています。本当にこの一年お疲れ様でした。