昨年の水害等でご当地は大変な被害にあわれ苦難の道を歩まれたところですが、年が明け、この新緑の素晴らしい季節を迎えて、本日ここに、越前漆器伝統産業会館「うるしの里会館」が完成し、落成式が関係者お集まりの中、盛大に開催されることを、心からお祝い申し上げます。
越前漆器は、深い歴史と伝統に培われた、優雅さと堅牢さにおいて評価の高い、本県が全国・世界に誇れる伝統産業です。
県では、被災から早期の復興を図るため、生産設備の復旧や販売促進活動などに積極的なバックアップを行いましたが、このように復興できましたのは、地域を守ろうとする皆様の熱意とご努力の賜物であり、改めて心から敬意を表します。
現在、ライフスタイルの変化に伴う家庭用製品の需要、外国製品との競合などいろいろな課題に直面し、越前漆器は多くの問題をもっています。しかし、産地を積極的に活性化する努力により課題は解決できるものであり、多様化する消費者ニーズに応じた商品開発や、品質と技術の向上が必要です。
こうした中、鯖江市が、これまで漆器の展示や伝統文化の伝承保存の場としての利用が中心であったこの会館の内容を大幅に刷新されるに当たり、県としても、どのような役割を果たせるか皆様とともに考え、応援させていただきました。
こうして新しく生まれ変わった「うるしの里会館」は、職人の実演見学や製作体験など消費者と産地とが直接交流できるコーナーや、共同で新商品の研究開発に取り組むための工房等を備えており、産業振興や地域活性化に大きく貢献するものと期待しております。
県では、3月末に、県庁の若手職員が中心となり、これから25年後の福井の姿がこうあるべきというビジョンを作成しました。その中で、知識や技術をいかに活かしていくかという「知活福井」という項目を掲げています。
越前漆器などのすばらしい技術やノウハウを最大限産業に活かし、伝統文化を承継していくことが重要であると考えており、この「うるしの里会館」は、まさに「知活福井」を実現し、漆文化の継承の拠点施設として先駆的役割を果たすものです。皆様には、この施設を最大限に活用され、産地の振興と発展に結び付けていただきたいと考えております。
また、こうした皆様の思いのこもった「うるしの里会館」を、観光の問題、あるいは福井の健康長寿につながる食の問題などにつなげていきたいとも考えております。
特に、再来年は、第26代継体天皇が即位して1,500年に当たる年です。この河和田漆器は、継体天皇にゆかりの深い産業であるので、皆様と知恵や工夫を出しながらこの鯖江の漆器が世界に誇れる産業となるよう努力していくことを申し上げて、お祝いの言葉といたします。
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