白川静博士「白川文字学の室」開設記念講演会の開催に当たり、先生への感謝とごあいさつを申し上げます。
白川静先生は、明治43年に福井市でお生まれになり、順化小学校ご卒業後、大阪へ出られ働きながら学校で学ばれました。そして中学校の先生などを経験され、立命館大学教授となられました。
そして長年にわたり、中国古代文字である甲骨文や金文などを研究されたのであります。従来の観念的な漢字解釈を覆し、中国の古代人の生活と意識にまで踏み込んだ実証的で系統的な漢字、文字についての学問である「白川文字学」というべきものを確立され、字書の3部作である「字統」「字訓」「字通」の刊行をはじめ、多くの学問的業績をあげておられます。
95歳の白川先生は、現役の研究者であります。前人未到の白川文字学を築き上げ、今も探究心を失わないそのお姿に、我々県民は尊敬の念はもとより、郷土の至宝を持てた誇りの気持ちでいっぱいです。
そうした県民のお礼の気持ちを込めまして、平成14年に「福井県県民賞」をお受けいただきました。また、そのご功績により、昨年11月には「文化勲章」を受章されました。
県では、白川先生の偉業を広く県民の皆様に知っていただくとともに、漢字の成り立ちなどについて理解を深められるよう、4月23日に、県立図書館に研究成果の関係資料を展示した「白川文字学の室」を開設いたしました。
開設に当たっては、白川先生ご本人から、貴重な直筆原稿や数多くの資料などをご寄贈いただいており、改めて、心から深く感謝申し上げます。
先生のおかげをもちまして、「白川文字学の室」には、先生の研究の一端に直にふれ、漢字の成り立ちを学ぼうとする児童・生徒をはじめ大勢の見学者が訪れております。
また、3月には、漢字教育に役立てて欲しいとのご趣旨で、県内の小・中学校へ1075冊の「常用字解」もご寄贈いただいており、重ねてお礼申し上げます。
福井県では、若手職員が手作りで将来の様々な課題を洗い出し、25年後を想定した福井の将来像、県民の夢というものを「ふくい2030年の姿」として作成しました。
この中で、福井県が全国に誇るべき方向として「夢福井人」、「一生自学の時代」を打ち出しています。経済が低迷し社会格差が拡大する中、将来に夢や希望を十分に持てない人たちが増えていますが、このような時代をたくましく生き抜くためには一人ひとりが自立し、自分の夢の実現に向けて学びチャレンジしていくことが必要です。
白川先生が夢の実現に向けて努力されるお姿は、「ねばり強く、勤勉で、まじめ」といわれる福井の人達の象徴であり、我々県民は、自分の夢に向けて努力し、チャレンジすることのすばらしさ、生き方を先生から学びたいと存じます。
本日は「文字教育について」と題して記念の講演をお願いしております。お集まりの県民の皆様が、さらに文字への関心と学ぶことの意慾を持っていただけるものと期待しております。
また、県では、近く、漢字講座、親子漢字教室など県民各層に広く学習機会を提供いたします。これにつきましても、皆様の積極的な参加をお願い申し上げまして、開会のごあいさつといたします。
|