平成18年度初めに当たっての知事あいさつ

 このページは、平成18年4月3日(月)に県庁で行われた平成18年度初めに当たっての知事あいさつをまとめたものです。


 それでは一言ごあいさつ申し上げます。
 今年は、知事就任以来4年目ということになりますが、3年間を振り返りますと、一昨年の豪雨災害、また昨年末からの大雪などいろんな災害や事故などにも見舞われましたが、その都度、皆さんとご一緒に、言わば、臨機応変に対応していく事が多かった感じがします。
 しかしながら、こうした状況でございましたが、マニフェスト「福井元気宣言」に基づいて、県民の皆さん、そして職員の皆さんとともに県政を推進してまいりました。
 その結果、北陸新幹線の県内着工をはじめ、先般、高速道路のいろんな見通しがでておりますが、高速道路の整備促進、景気・雇用情勢の回復、これも全国的にも高い数字になっております。その他、エネルギー研究開発拠点化計画など原子力政策の推進、治安回復、それから福祉・教育の充実など、県政の重要課題については、一定の成果と方向性を出すことができたと考えております。
 私のほうからは、厳しいお話や指示も申し上げたところですが、しっかり一緒に仕事を進めていただいた皆さんに心から感謝を申し上げます。

 新年度は「福井元気宣言」の最終年次ということですので、言わば基本的な物事をしっかり固めながら進む、「固めの年」であるということを、仕事始めの日に申し上げたと思います。
 そうした施策の仕上げを行うとともに、4年間の成果を示し、また、その先への発展に向けての高い目標に挑戦していくことが必要です。
 こうした観点から、今回の機構改革では「マニフェスト」に掲げました施策を着実に実行しながら、産業の活性化、新幹線の整備促進など県政の重要課題、団塊の世代等の誘致など、いろいろな政策課題を推進するための体制を強化したところです。

 今回の機構改革では、部局が連携をして推進する必要がある重要課題につきましては、各部局の企画幹をリーダーとして、政策推進グループが関係部局と連絡・調整しながら、実施していくことをメインにしたいと考えております。
 新しい課題に対しましては、自主性やチャレンジ精神を発揮し、予算や所管にとらわれない仕事の進め方を実施して欲しいと思います。

 まず、これから継続した仕事を行う必要がございますが、そういうものに加えて、仕事に新しさ、あるいは工夫・スピード、というものを加える必要があると思います。つまり、以下述べますことは、どういう方面の仕事を発展させるべきか、ということであります。
 今回の人事異動におきましては、異動サイクルを長めにしておりまして、継続した仕事を着実に進めていくことが大事だと思います。また、景気回復の状況などを見ますと、新しい経済段階、また団塊の世代などの状況などが新しい社会段階に入っていると思います。こうした問題に的確に対応する時期になったと思いまして、1年前に「ふくい2030年の姿」をつくっております。そうしたものを踏まえながら、仕事を創意と積極性を持って進める必要があるだろうと思います。
 この機構改革などを踏まえて、管理職の方々に仕事を進めていただく上で、まずこの4年目にあたりまして、心掛けて欲しいことを数点申し上げますのでお聞きください。
 1点目は、今までの仕事に、今申し上げました「新しさ」あるいは「次の課題」、こういうものを加える問題です。
 雇用あるいは失業状況、教育・学力の状況、福祉・介護の状況、安全などの問題については、いろんな意味で計数は良くなっていると思いますけども、それが本当に福井県にとって、あるいは県民にとって、どういう意味なのか、というのをもう一度、中身を見る必要があると思います。つまり次の段階に何をなすべきか、また、質的にもっと上のレベルをどうやって目指すかというようなことがあると思います。

 2点目は、今日は4月1日といいますか、3日でありまして、年度初めの日でありますが、これからはいつも毎日が年度初めの日だ、と思うぐらいの気持ちで仕事を進めて欲しいのです。カレンダーに従った仕事ぶりというのは、避けて欲しいと思います。絶えず事柄が進むわけですので、継続的に進むと同時に、今日が仕事の初めであると、新しい仕事は今日から行うべきであると、そういうことが日々起こってくると思いますので、日々が初日の気持ちでやって欲しいのです。

 それから、3点目であります。福井県庁は、これは福井市内にあるわけですが、もし今、これが例えば、東京事務所の都道府県会館にあったらどんなふうなことが起こるだろうかということを一度考えてみたらどうでしょうか。情報の取り方の早さ、あるいは人との交流の太さなど、今の状況とは変わると思います。しかし、この福井にあって、早く情報をしっかり取り、人的な交流などを進めることについては、まだまだ不足しているところがあると思います。新聞・テレビなどメディアの情報は仕事のヒントの宝庫だと私は思います。まだまだ十分な関心が向けられていない部分があると思いますので、そうした問題についても、更に関心と働きかけを深めて欲しいのです。

 それから、4点目であります。自分たちのやっている仕事の中で、どの部分が上司からの指示に基づくものか、そしてどの部分が自分たちのアイデアの部分であるか、そういうことを一度考えて欲しいと思います。どうしても部下は皆さんの判断に頼っていて、それを中心にあれこれ議論をしたり、悩んでいることに終わっている部分が少なくないのではないかと思います。部下の自らの知恵あるいは意欲によって、イニシアティブがどの程度発揮されているか、もっとイニシアティブを増やすよう、管理者として激励を強める必要があるだろうと思います。

 それから、5点目であります。仕事の分かりやすさです。仕事が有効に進むためには、2つの事柄が大事であります。仕事のシステムとしての仕事の中味ですね。例えば、少子化対策で申し上げますと、保育料を無料にするとか、こういうことが仕事の中身であります。一方で、もう一つの仕事のシステムとしての仕組みということであって、例えば「3人っ子プラン」のように、一定の観念の基にある仕組みを作ることであります。この2つが上手くかみ合わなければ、仕事はわかりやすく上手くいきません。私自身がやっている仕事なら、これはマニフェストという仕組みの中で、物事の中味を進めているという、こういう表裏一体の関係にあると思います。こういう意味で、このシステムの仕組みは、マニフェスト的な宣言であることでありましょうし、推進組織的なエンジンであったり、あるいは行政モデルであったり、あるいは民間や他の組織との協定、約束事、様々なタイプがこれから出てくると思いますけど、そうした仕事の進め方というのが、これから非常に重要になってくると思います。そうした観点を絶えず、具体の仕事を進める場合に念頭において欲しいと思います。

 それから、最後に管理職の皆さんに、「組織の問題」、「リーダーシップの問題」について2点申し上げます。
 1つは、組織力の意味です。
 組織といいますか、もちろん部下の数というものには限度がありますが、例えば、10人のグループの組織があったとしますと、そのトップにいる人は、当然のことながら少なくとも10人分のパワーを発揮させなければならない訳です。しかし、それでは管理職としては十分とは言えません。10人以上の組織の力によるパワーを成果として出してもらうのが、組織の性質からいって望ましいのです。
 こういうお話をしようとして、新聞とか最近テレビなどを見ておりましたら、最近テレビの番組のドラマや新聞小説にもあるのですが、「西遊記」というのがわりあいブームですよね。これは明の時代の呉承恩という人が作った小説だと思いますけれども、三蔵法師が連れて行った弟子、これは例の孫悟空、猪八戒、ともう1人は沙悟浄ですか、それぞれ才能と、また好みと、長所と欠点があるわけでありまして、お師匠さんの三蔵法師を助けながら、それぞれ違った力を発揮して3人以上の手柄を立てて目標を達成したものです。
 よく似た話でおとぎ話をして恐縮ですが、桃太郎があります。これはキジ、サル、イヌでして、鬼退治をします。これも持ち味が違います。戦略性を持った人、人と言ったほうがいいのか、キャラクターと言ったらいいのか。情報力を持った人、行動力の人もあります、忠誠心、ロイヤリティともうまくかみ合って、目的を達成した訳です。相手の「鬼が島」の鬼などは、力もあり金棒を持っていたかもしれませんけれども、皆、同じことを考えて、同じ行動をしただけなので、退治されてしまった、と私は物語を解釈します。大勢に対して少人数で、組織力を図るといいますと、10人が10人以上の力を発揮しなければならんと思っております。

 それから、もう1つはリーダーシップについて申し上げます。
 リーダーシップについても2種類のものがあるように思います。今、「西遊記」の話をしましたが、この主人公は誰かということでありますが、孫悟空ではなく本当は玄奘三蔵法師が主人公かも知れません。ドラマでは大体、三蔵法師というのは女優がやるものであります。これはなぜそうなのだろうかということでありまして、あまり立ち回りをしないから、女優であるのかも知れない。どうもそうではないように思います。いろいろ苦難に会い、よく怪物のとらわれ人になりますけれども、絶えず三蔵法師が柔和な中に強い意志をもって目指していたものは、はっきりした目標です。あまり細かいことは言わず、3人の良いところを生かしながら能力を発揮させ、5,048巻の大乗仏典を何とかして天竺に行って、我が唐大国に持ち帰ろうという強い意志であります。それをきわ立たせるために三蔵法師は男優でないのかもしれません。その意志、目標というのは確固として高いわけでして、これを3人の弟子たちはそれに従い、目標のすばらしさに心服して最後まで付き従ったのではなかろうかと思います。リーダーシップというのはいろんな種類がありますけれども、また我々の目標はもっと何十年の目標でなくて、1年ごと、あるいは数ヶ月の目標になるかも知れませんが、リーダーたるもの、その和を大事にした仕事ぶりはともかく、まずはっきりした目標というものを持っていなければ、組織的な仕事はできないと思います。
 一方、鬼退治の青年桃太郎のほうはですね、これは世俗的な目標でありまして、みずから自分の背中にシンボルの旗を立て、そしてキビダンゴも用意してあります。それで部下にハッパをかけて目標を達成したようなタイプのおとぎ話であると思います。これも1つの仕事の仕方・戦略かなとこんなふうに思います。こういう観点からいいますと、管理職の皆さんには、部下の皆さんに更に具体的な指示をされながら、そしてそれぞれの皆さんが持味に応じた力を発揮できるような管理能力を更に発揮していただく時代かと思っています。
 いろんな組織力、リーダーシップ(目標・戦略)がございます。目標管理などもありますけれども、そうしたことを考えながら、毎日が新しい仕事の出発点であると、行事や予定に従った仕事がこれからの仕事の仕方ではない、というようなことを考えていただきながら、仕事を進めていただくことをお願いするものです。わかりやすく小説やおとぎ話を例にとりましたが、ちょうどここ数日、新聞などを見ておりまして、以上のようなことを感じましたので、例を挙げて申し上げました。その真意をお汲み取りいただけたら幸いです。

 どうか皆さま方には、健康にご留意をしていただきまして、一層の力を合わせたご活躍をご祈念申し上げ、簡単ですが、年度初めのごあいさつにいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。