シンポジウム「足羽川の未来を探る」
知事あいさつ

 このページは、平成18年4月16日(日)に繊協ビルで行われたシンポジウム「足羽川の未来を探る」での知事あいさつの要旨をまとめたものです。


 今日は、福井新聞社さんの主催によりますシンポジウム「足羽川の未来を探る」が盛大に開催されるということで、一言お祝いを申し上げます。

 雨もあがったようですが、今年は桜のシーズンに雨も多かったなという気がします。ちょうど桜が今散りつつあるということで、非常に季節の趣のある時期です。こうした時のシンポジウムの開催でございます。
 一昨年の福井豪雨の復旧事業が行われております。足羽川の激特事業あるいは助成事業が皆様方の多大な支援と協力を得て順調に進んでいるところでして、まずもって感謝を申し上げます。
 とりわけ本日ご出席の松村国土交通副大臣におかれましては、足羽川関係の事業採択、また広く新幹線事業の整備等々、常日頃より福井県のために格別のお力添えを賜っているところでして、厚くお礼申し上げます。
 また、本日はシンポジウムとしてそれぞれご関係の皆様方のご出席を賜っておりますが、坂川福井市長には、当選直後ということでいろいろと課題が多い中、まちづくり整備に深い情熱をお持ちです。本日はシンポジウムでも、皆様とともに貴重なご意見をいただけると期待している次第です。

 さて、足羽川堤防の桜は、今まさに咲き誇り散らんとしているわけですが、多くの県民や県外各地の人々が足羽川を訪れて、このすばらしい桜を楽しんでいただいております。ところでこの桜はもともと足羽川にあったわけではありません。江戸時代には九十九橋左岸の上下流、今は桃園と言っておりますが、そこに広がっていて、人々を楽しませていたようです。
 明治時代になりまして、相次ぐ洪水による氾濫を防止するため伐採して堤防を築きました。そうしたところ、以前の桃源郷を楽しむ住民の声が多く、これに応えて足羽川の堤防に桜や楓が植えられたと、こういう歴史があるようです。
 このように足羽川の過去を振り返ってみますと、その内容は治水と河川の景観の歴史の交錯そのものといえると思います。

 近年、集中豪雨が多発し、安全対策の必要性が一層高まっています。
 足羽川におきましても福井豪雨以降、治水事業の促進、避難行動に必要なソフト面の情報提供が強く求められています。
 現在、ハード面の対策としては、足羽川の激特事業や助成事業の改修工事の実施、あるいは洪水調節施設である足羽川ダムの計画の検討を進めております。またソフト面の対策として、河川の監視カメラの設置や、水位計の増設による情報提供、ハザードマップの配布による住民意識の向上を進めているところです。

 こうした中、福井市街の中心部で進められております災害対策事業の実施にあたりましては、県民・市民にとって大きな宝ともなっている堤の桜並木をどうするのか。人々が潤いを感じ、賑わいのある足羽川沿にするのはどのようにしたらよいかということが大きなテーマとなっています。
 そのため県では、今回基調講演をしていただく福井ご出身の進士五十八先生にお願いし、足羽川河川環境整備検討会を昨年度4回開催しました。桜並木の保全対策、船遊び、魚釣り等で水に親しめる足羽川の利活用など、まちづくりと一体となった足羽川の河川環境整備事業を総合的に検討していただきました。

 私もいろんな地方に出かけますが、その際、川を見るだけでなく、川の水に手を付けてみることにしています。温泉に入ると少しお金がかかりますので、流れに手を浸す分には無料で思い出を楽しめるということです。
 去年もテムズ川の水をさわってきたんですが、浸していますと意外と冷たくて、かつ汚れているなという感じがしました。しかし、そういう早い流れの中でも、若い男女が、カヌーのような長い形のボートを、肌寒い中、朝早くからすごいスピードで漕いでいるような風景に出会いました。普通の船も動いています。
 また、イタリアのフィレンツェでしたか、やはり同じような風景が見られました。あの川は、プッチーニのオペラなどでは「恋人と一緒になれないなら、私はこの川に身を投げる」とアリアで歌われるあの川です。それらいろんな歴史の中で、皆さんが川に親しんでいらっしゃるなという、そういう印象を持っております。しかしながら、現在の日本の場合、そうしたことが少ないと思っております。
 昨年来、県庁のお堀にも美化のため、環境用の木船を浮かべておりますが、みなさんに川に親しんでいただくということが、大事だと思います。

 また、足羽ダムの問題があります。河川改修とあわせて所定の治水安全度を確保するため必要な洪水調節施設として、計画の議論がなされています。我々は普通ダムと聞きますと洪水対策が第一の目的で、上下水道あるいは発電などを含めると多目的という表現をとるようになります。しかし、これからはそういうハード面のみならず、観光とか親しみやすさなどのソフト面への対応もダムの多目的に入ってもよいのではないかと考えます。
 いずれにいたしましても、多くの課題がありますが、特に県民の皆様に実際のことを分かっていただき、また説明を行うことが必要であります。県民の基本的な理解を得た上で進めていくことがポイントだと思います。

 県では本日のシンポジウムでの貴重なご意見も踏まえ、安全で潤いのあるまちづくりを目指し、治水と環境を両立させた足羽川の川づくりを行っていきたいと考えています。
 今日は貴重な機会でございます。どうか皆様にとって有意義な機会となりますことを心からご祈念申し上げまして、簡単ではございますけれどもご祝辞、ごあいさつにかえさせていただきます。