2006年9月15日(金曜日)
健康長寿世界一の実現に向けて
 本県は、平均寿命が男女とも全国第2位と全国でもトップレベルの健康長寿県です。
 一方、我が国の高齢化は急速に進んでおり、本県においても、現在5人に1人が高齢者という状況にあります。こうした中、中年期を過ぎた頃から増えてくる「がん」、「心疾患」、「脳卒中」などの生活習慣病による死亡が全死因の約6割を占めるようになっており、その予防が喫緊の課題となっています。また、本県は運動習慣を有する人の割合が低い、喫煙率が高いなどの課題も明らかになっています。
 そこで、県では「元気な福井」を目指して、福井が誇る健康長寿を確固たるものとし、県民1人ひとりが生涯にわたって健康で長生きできるよう、さまざまな取組みを行っています。
なぜ?本県の長寿要因
 福井県は、かつて短命な県でしたが、近年は全国トップクラスの長寿県になっています。特に男性は、昭和50年以降常に平均寿命が全国10位以内に位置しており、女性の平均寿命も10位台から大きく躍進し、平成12年都道府県別生命表では、男女ともに全国第2位となりました。
 一般的に長寿は、社会経済的条件と暮らしている住民の遺伝的体質および伝統的生活様式が深く関与しているといわれています。
 本県が長寿県となったのにもいくつかの要因が関与していると考えられますが、平成16年度に行った長寿の要因調査(「ふくいの健康長寿の謎解き」)では、
1 お米を中心としたバランスの良い食事や豆類・イモ類を好む食生活
2 女性や高齢者も働き者で、ボランティア活動が盛んなど生きがいを持った暮らし
3 祖先や家族を大切にする気風があり、3世代家族が多く、にぎやかに過ごすことができる心穏やかな環境
4 整備率の高い医療施設や福祉施設
5 高い貯蓄率など心の健康を支える経済的ゆとり
 など5つの要因が明らかになっています。
今に受け継がれる健康づくりの精神

公立小浜病院前に建つ杉田玄白像
 「解体新書」の翻訳で有名な杉田玄白(1733−1817)は、小浜藩医として活躍した福井出身の人物です。彼は85歳という当時としては大変な長寿をまっとうし、医業のかたわら多くの著作を残しました。その一つ「養生七不可」には、健康長寿のためにやってはいけないことが書き記されており、健康と長寿の秘訣を後世の人に残してくれています。

石塚左玄(日本CI協会 提供)
 自分で自分の健康を守り、健全で豊かな食生活を送るための能力を高める「食育」。この言葉を日本で使い始めたのは福井出身の医師、石塚左玄(1851−1909)です。彼は百年以上も前に、食の栄養、安全、選び方や組み合わせ方の知識と、それに基づく食生活が心身ともに健やかな人間をつくるという教育(=食育)を唱えていたのです。
健康長寿を確固たるものに
 県では、平成17年度に「健康長寿ふくい推進会議」を設け、全庁を挙げて「健康長寿ふくい」の推進に取り組んでいます。
 全国でもトップレベルを誇る「健康長寿」を今後とも維持し、「健康長寿世界一」へとさらに発展させるとともに、「健康長寿」をふくいブランドのキーコンセプトとして、県内外に広くPRし、「健康長寿ブランドの浸透・確立」を図るため各種施策を実施しています。
心身の健康づくり
食育の推進
 「健康長寿」は食生活と深い関わりを持っています。近年、朝食の欠食や栄養バランスの偏りなど、子どもの食の乱れが叫ばれていますが、県ではいち早く栄養教諭制度を導入し、昨年度の10名から今年度32名へと栄養教諭の拡充を図りました。
 栄養教諭は、学校での指導だけでなく、ショッピングセンターなどで、食事やおやつ等についての疑問や悩みに関する相談を受け付ける活動も始めています。
 さらに、今年度からは20代から30代の若い世代を中心に、朝食を摂ることの啓発や魚をさばく体験の実践を通じて、食を大切にする気持ちを養い、バランスの良い食生活を推進しています。
※栄養教諭
 食に関する指導と学校給食の管理を行う食育担当の先生

好き嫌いをしないで食べることの大切さを学ぶ子どもたち
健康長寿バイスクル
 自転車は健康に優れ、環境にもやさしい乗物です。そこで、県では関係団体と連携して、自転車の利用を促進しています。
 通勤をはじめとした日常生活における移動手段として、積極的に自転車を利用してもらうため、5人1組で自転車通勤に取り組む「チャレンジ 自転車エコ通勤事業」を実施しています。
 また、えちぜん鉄道では、今年10月末までの日曜・祝日、自転車を電車に持ち込める「サイクルトレイン」の試行実験を行っています。「マイ自転車」を持って、いつもと違う景色の中を走ってみてはいかがですか。

「マイ自転車」を持って、ちょっと遠出してみる
アンチエイジング等の普及
 健康維持のためには、心身の異常の早期発見が重要です。このため、今年度、健康と若さを保ちながら年を重ねるアンチエイジング医学の考え方を取り入れ、血管や骨などの「健康長寿度」を簡便にチェックできる手法の開発に取り組んでいます。
 また、お腹周りの数値等をもとに、生活習慣病の危険度を測る「メタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)」の診断基準を健康診断に取り入れ、県内に普及します。
がん対策
 本県は、がんの患者数や生存率などの推計の基本となる「地域がん登録」が全国で最も浸透しており、がんの発見経緯や受けた治療法などの把握が、がん登録を法律で義務付けている米国並みの精度の高さとなっています。
 その一方で、現在、県民のがん検診の受診率は必ずしも高くないのが現状であり、検診体制を整備し、特に、受診率が低い中高年男性への受診を奨励しているところです。
 また、県民に最先端のがん治療を提供するため、若狭湾エネルギー研究センターの治療研究の成果を活かし、平成21年度の治療開始に向けて、県立病院に陽子線がん治療施設の整備を進めています。
 この治療施設がより県民に利用しやすくなるよう、地元の主要な病院で陽子線がん治療に適しているかどうかの診断や治療の申し込みが行えるような体制づくりを進めています。また、県外の方々にも利用できるような施設にしていきます。

陽子線がん治療施設のイメージ
研究の推進
 本県の健康長寿について一層研究を進めるため、平成17年度に県立大学に健康長寿研究推進機構を設置し、健康長寿に関する研究に取り組んでいます。
 今年度は、越前がにの殻を利用した健康食品やバイオ農薬の開発など6つの課題について研究を進めています。
健康長寿ブランドの創造・発信
 昨年度から、県食品加工研究所と民間事業者が共同して、健康長寿食品の開発研究を進めています。
 その成果として、本県特産のラッキョウを活用したラッキョウ食物繊維飲料「フルクタンHP」や福井ウメの果汁を用いた「越前おろし冷麺スープ」などが開発・販売されており、本県の「健康長寿」が県内外に広く認知されるよう、県としてもPRに努めています。

ラッキョウや梅など本県の特産品が活かされている
子どもから高齢者まで生き生きと
 今年6月に厚生労働省が発表した人口動態統計では、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)が5年連続で過去最低を記録(全国平均1.25)するなか、本県は1.47と全国で唯一上昇し、順位も全国で第2位となりました。
 女性が安心して子どもを産み育てられる。そして、1人ひとりが生涯にわたって健康であり続ける。そんな「元気な福井」を目指して、県では今後も取組みを進めていきます。
この記事に関するご意見・お問い合わせは、
福井県健康福祉部健康増進課 TEL0776(20)0350
までどうぞ
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