ふくいアグリネット>緊急稲作情報
緊急技術情報
No.1
lupdate 2007.8.15
稲作情報作成委員会、水田農業レベルアップ委員会技術普及部会
                      (農業試験場農畜産課JA経済連)より
ふくいアグリネット。へ
■お問合せ先
・具体的相談は、最寄の農業経営支援部課、またはJA(JA福井県中央会のリンク集をご参考ください)にお問合せください。
今回のポイント
◎猛暑と無降雨が続き、穂の黄化早まる!! 胴割れ注意!!
◎間断通水で、根の活力維持を! 田の土を白く乾かさない!
◎一穂内で黄化ムラが大きい!! 圃場で籾の観察を!!
◎籾水分を調査し、水分25%で適期収穫を!!!
現 況
気象の概要(福井地方気象台)
1) 8月4日に降雨を記録(8.5mm)したが、それ以降、降雨なしや降水量0mmの日が続いている。
2) 8月1日以降、最高気温が30℃を超える暑い日が続いており、8月11日以降、35℃を超える猛暑日となっている。また、8月2〜3日、8〜9日、11日、13〜14日は最低気温が25℃以上の熱帯夜となっている。
3) 今後も当面は太平洋高気圧の勢力が強く、高温が続くという予報である。

生育の状況(現地の様子、農試気対ハナエチゼンの籾水分)
1) ハナエチゼンで、登熟が進み、籾の黄化程度が大きくなってきた。
2) 一穂内でも、穂の上部と下部(先端に近いところと穂首に近いところ、強勢頴花と弱勢頴花)とで、籾黄化の進み方の差が大きい。
3) 籾の黄化がきれいでなく、茶色がかった色(いわゆる「焼けいろみ」)となっているものが目立つ。
4) 葉の黄化もきれいな黄緑色となっていないもの(茶色っぽいもの)も目立つ。
5) 圃場の土が白く乾き、止葉が膨圧を失って縦に巻いていたり、葉枯れを起こしているところが見受けられる。
6) 農試気象対策ハナエチゼン(5月2日移植)の8月15日(出穂後25日)の籾水分(単粒水分計による)は31.5%で、2日前よりも1.7%低下した。

対 策
◎ 圃場によって葉色や籾の黄化程度の差が大きい。各圃場の成熟状況を把握し、成熟程度や圃場条件に応じた適切な管理を行うように努める。
肥培管理
1) 水管理
 8月10日の稲作情報No.10にあるとおり、今年の稲体は、根群の発達が劣り、吸水能力が低下しやすい。登熟期が高温の年に根の活力低下は致命的となる。
 収穫直前まで、間断通水を励行し、稲体の活力を保つ。登熟を良くし、胴割米の発生を抑制するためにも、稲の蒸散にみあうだけの吸水は必要となる。表面の土が乾かないようにして、”うわ根”の活力低下を防ぐ。逆に、水の張りっぱなしも、行わない。(圃場の土が白く乾く→根が乾燥してしまうことや、水の張りっぱなしでかえって水温上昇→地温上昇+酸欠状態→根腐れは、もってのほかである。)
 米の収量品質にとって、登熟期の水管理は大切であることを認識する。
2) 適期収穫
 刈り遅れは、胴割米の増加を招くので、絶対に刈り遅れない。
 収穫開始期は、籾水分25%となったときであるが、おおまかには出穂後の積算温度(出穂期の翌日から毎日の日平均気温を足していった値)で推定する。近年の気象状況から、ハナエチゼンで860度、コシヒカリで990度を目安としてきた。昨年、農試の成績で、実際はこれよりもやや高い積算温度で籾水分25%となる、という報告もあるが、本年の状況を考慮すると、これまでの値を用いるのがよいのではないかと思われる。各地で出穂期を把握し、積算温度がこの目安数値に近づいたら、実際に籾水分を測定し、必ず籾水分を確認する。
 また、ハナエチゼンの圃場をよく観察し、黄化の早いものから収穫するなど、収穫作業の計画を立て、円滑な収穫作業ができるようにする。高温年は、どうしても収穫適期幅の日数も短くなりやすい(通常年で、収穫適期幅は早生品種で4〜5日)ので、地域全体でも注意する。
3) 籾水分の測定、登熟程度の確認
 刈取開始時期は、籾水分が25%以下となるとき、となる。厳密には、圃場ごとに籾水分を測定する。積算温度だけに頼らない。必ず、籾水分を確認する。
 籾水分は30%以下となれば、携帯型のケット水分計で測定可能となる。籾水分は、30%以下のとき、1日あたり0.5〜0.6%程度低下する(ただし、降雨後の水分測定には注意が必要である)ので、それを基に収穫開始時期を決める。また、今年は圃場による生育差が大きいので、特に注意が必要である。
 ハナエチゼンは、8月以降、高温で経過する中、登熟が進行している。高温で経過すると、地域や圃場ごとの差が大きい。また圃場内や一株内でも籾ごとの黄化程度の差が大きくなりやすく、また籾水分もばらつきが大きくなることが多いので、どこを基準とすれば良いのか迷ってしまうことが多い。
 そんなときは、大きい穂の先端の籾の様子を確認する。穂の先端の籾や穂上部(上から3番目くらいまでの)枝梗の先端の籾は開花順序が早く、籾の黄化も早い。これらの籾の籾殻をはずし、玄米の色ツヤや胴割れしていないかをみる。
 穂全体の籾水分や穂上部の籾水分を確認し、先端の粒に軽胴割れがわずかに見え出したかどうかと併せて、収穫開始期を判断する。

籾水分や枝梗先端粒の状態の把握に努め、適期収穫に心がける。

稲作情報No.10で、ハナエチゼンはコシヒカリよりも胴割れの危険性は低いとしたが、ハナエチゼンでも、胴割れ発生の危険性は高い年である。注意と対策を行う。

コシヒカリでも、胴割れ発生注意報の発令基準(暫定)にあてはめると、
@ 農試気対圃場の出穂期の根重が平年の75%と、80%以下である。
A 出穂期〜穂揃期の止葉のSPAD値が33以下のものが多い(現地調査結果)。
B 出穂後20日間(出穂後0日〜19日=登熟前半)の平均気温が28℃を超えることがほぼ確実である。

以上のことから、今週中には胴割れ注意報を発令する予定である。
  (稲体の条件、気象条件ともに前年より厳しい状況下にある。)

8月20日頃の稲体の状況(葉色や生葉数など)を観察すること。
上記の詳しい資料はこちら (PDF:453KB)
 掲載記事は、PDFファイルを使用しております。PDFファイルをご覧いただくためには、アドビシステムズ社Adobe Reader が必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、こちらよりダウンロードしインストールして下さい。


ふくいアグリネット。へ

2007年稲作情報へ

お問合せはnoshi@.pref.fukui.lg.jp

〒918−8215 福井県福井市寮町辺操52-21 
 福井県農業試験場  企画・指導部
   TEL:0776-54-5100 FAX:0776-54-5106