「ふくい暮らし」を楽しんでいる、先輩たちの声です

勝山市の山あいにある小原地区で古民家修復に取り組む國吉一實さん(Uターン)

國吉一實さん 勝山市の山あいにある集落の一つ、小原地区。昨今取りざたされている「限界集落」であるこの地区で、小民家修復を核に地域再生に取り組む団体があります。その名は『小原ECOプロジェクト』。その代表を務める國吉一實さんは、勝山市出身のUターン組。名古屋市で就職の後、結婚を機に地元に戻ってきました。

「父親が小原出身だったので、この集落には子どものころからなじみがありました。いわば、私にとっての原風景なんです。それが、年を経て限界集落と言われるまでになってしまった(*)。『子どものときに見た小原の姿を取り戻したい!』という夢を持って、今、活動しているところです」
(*)小原地区の人口……1975年:37世帯・111人 2005年:4世帯・6人

古民家修復は、福井工業大学建設工学科の学生たちを中心に2006年度から実施。作業は夏休み期間中に行われ、修復が終わった家は、農業体験や農家民宿などエコツアーの拠点として活用されています。國吉さんは、言うなれば、学生たちと地元住民との橋渡し役です。

そんな國吉さんが、プロジェクトを通じて考えるようになったのは“豊かさ”の基準でした。

「山あいのまちで育ってますから、都会で暮らしていると山や川がときどき恋しくなるんです。でも、都会では自然が遠いうえに、しかもお金を出さないと触れあうことができない。たしかに、物流の面では遅れているかもしれません。でも、それだけで地域の価値を測らないでほしいなあと思います」

Uターン者であるがゆえ、定住を考える人たちが抱く“物質面での飢餓感”も理解できるという國吉さん。「勝山にはまだまだ、近所同士のおすそ分け文化が息づいてますよ。それに、地価や家賃だって大都市に比べればはるかに安い。自分の経験からいうと、『都会暮らしの方がお金を使っていたなあ』という印象ですね」