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平成17年度第3回テ−マ展 「大きな大きな絵画」

 

 平成17年度第3回所蔵品によるテ−マ展は、大画面に描かれた大きな大きな絵画作品をご紹介します。

 

1 名 称           平成17年度第3回所蔵品によるテ−マ展 

                            大きな大きな絵画

2 会 期             平成17年9月3日(土)〜10月16日(日)

3 会 場             福井県立美術館

4 開館時間        午前9時〜午後5時

                            *金曜日は午後8時まで(いずれも入場は閉館30分前まで)

5 休館日            9月5日(月)、26日(月)、10月3日(月)

6 観覧料            一般・大学生  100円 (団体30名以上は2割引)

                            高校生以下・70歳以上・障害者手帳等をお持ちの方は無料

                            *「ベルギー象徴派展」開催中は、同展チケットをお持ちの方はあわせてご覧いただけます。

 

7 主な出品作品

                            曽我直庵              「松柏に鷹図屏風」              桃山時代

                            横山大観              「湖上の月」                         大正9年

                            小野忠弘              「BLUE」                            平成7年

                            宇佐美圭司           「山々は難破した船に似てNo.1        平成13

                            ほか

 

 

 

大きな大きな絵画

 

 今回のテーマ展は「大きな大きな絵画」と題して、大画面の作品を特集展示します。

 大きな絵画と聞くと、皆さんはどんな作品を想像するでしょうか?多分教会の壁画や、お城や寺院の襖や屏風絵、そして展覧会で見るような大作をすぐに思い浮かべるでしょう。

 日本においても古くから大きな作品はたくさんありました。今から1200年以上前に描かれた奈良・法隆寺金堂の壁画などは現存最古の大きな絵画といえるでしょう。また平安時代になると、住宅の襖や屏風に画を描くことも盛んに行われるようになり、その伝統はそれ以後も連綿と受け継がれていくようになります。特に桃山時代になり、大きな城や御殿が建設されるようになると、その建物内部を金銀と鮮やかな色彩の絵画で装飾する障壁画の制作が大流行しました。江戸時代初めに建てられた京都・二条城などはその代表的な例といえます。襖絵や屏風絵はその意味で日本を代表する大きな絵画ということができるでしょう。

 ところが時代が明治になると、絵画を取り巻く状況も大きく変化しました。西洋の思想や文化の流入により、絵画の鑑賞形態がそれまでの住宅内での私的なものに、新たに展覧会という広く一般に供せられる形式が加わりました。それにともない絵画の形体にも額装が現れ、会場の大きさに対応するように画面も大きくなっていきます。特に戦後は住宅事情の変化により床の間や和室が失われたため、掛軸や屏風を飾る習慣が失われ、また戦後各地に多くの美術館が建設されると、美術作品の発表や鑑賞の場が住宅からこれらの施設に移りました。そうすると、絵画も大きさの制約を解かれてどんどん大きくなっていきました。そしてそれまでになかったような大きさの作品が次々と現れ、そのの傾向は現在もなお進行しているといっても過言ではありません。

 大きな作品はそれ自体迫力に富み、観る者を圧倒する力があります。またそれを描く画家も、画面の大きさに負けないように構図や色彩に工夫を加えるなど、その製作に心血を注ぎます。そこが大きな絵画に人気が集まる一つの理由となっているのかもしれません。