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平成19年度第5回所蔵品によるテ−マ展「岡島コレクション」「工芸」

 

1 名  称        平成19年度第5回所蔵品によるテ−マ展「岡島コレクション」「工芸」

 

2 会  期        平成19年11月30日(金)から平成20年1月14日(月・祝)まで

 

3 会  場        福井県立美術館

 

4 開館時間      午前9時から午後5時まで(入場は閉館30分前まで)

 

5 休 館 日      12月17日(月)、29日(土)〜1月2日(水)

 

6 観 覧 料      一般・大学生  100円 (団体30名以上は2割引)

                          高校生以下・70歳以上・障害者手帳等をお持ちの方は無料

 

7 主な作品

後藤祐乗「連獅子図目貫」

後藤乗真「貝尽図目貫」

政秀「虫尽図前金具」

高橋記内「龍透鍔」ほか

 

8 内容

(1)岡島コレクション

大野市出身の岡島辰五郎氏が寄贈された刀の目貫(めぬき・柄の装飾品)や江戸時代の大判・小判など珍しく貴重な工芸品等を展示します。

(2)工芸

岡島コレクションの展示と併せて、当館所蔵の人間国宝たちによる陶芸作品などの工芸品を展示します。

 

9 解説

1 岡島コレクション

 岡島コレクションは、大野市出身の岡島辰五郎氏(明治13〜昭和37)がアメリカ・ニューヨークで美術貿易商を営む間に収集していたものを、昭和33年に本県に寄贈したものです。同年、岡島美術記念館が福井市宝永の養浩館裏に開館、昭和55年の閉館後は所蔵品は県立美術館に移され現在に至っています。

 岡島氏は東京芸術大学の前身である東京美術学校で鋳金を学びました。在学中は校内の生徒作品展で賞を受ける等早くから優れた才能を示し、卒業後は東京で鋳金工場を設立するかたわら、東京彫工会にて褒賞を受賞、また同会の審査員をつとめる等活躍しました。その後単身でアメリカに渡り、ニューヨークで東洋美術を扱う「山中商会」に入社、後年独立して「日本美術商会」を開き、日本の美術品を中心とした商いを行いながら数多くの作品を収集しました。

 コレクションは目貫や縁頭、小柄等いわゆる刀装具が中心となっていますが、その他にも中国の金銅仏、煙草入や煙管、前金具、緒締等の喫煙具。そして貨幣や装身具、漆器等多岐にわたり、美術的かつ資料的に優れた作品が数多く含まれています。これらは何れも単なる美術商の立場ではなく、金工作家として深い知識と経験に裏打ちされた岡島氏の目を通して選ばれたものばかりであり、氏の確かな審美眼を示した貴重なコレクションといえます。

 

2 工芸

 重厚な作風で近世を代表する刀鍛冶の一人といわれる越前康継や、江戸時代越前において活躍し特に肉彫り地に龍・能面などの透かしを施した鐔の制作において著名であった高橋記内。柳宗悦や棟方志功らと交流しながら民芸調の温かみのある陶芸作品によって人気を得た喜多村作太郎。清水六兵衛らとともに設立した京都陶芸家クラブに緑釉や塩釉を用いた斬新な作品を発表した森野嘉光。象嵌の技法を用いた作陶を得意とした浅見隆三や、女流陶芸家の草分け的存在として数々の現代的な作品を世に送り出した坪井明日香。加賀友禅や京友禅を学んだ後それらを融合させた独特の作風で重要無形文化財保持者(人間国宝)となり現在も染色界の第一線で活躍する羽田登喜男や、波・水・風といった形の定まらない自然をモチーフに幻想的なイメージの染色作品を生み出した佐野猛夫。これらの工芸作家による作品からは、伝統的でありながらも多彩な表現と優れた感性をみることができます。

 また「彩梃(さいえん)」と名付けた独自の技法により多彩な作風を生み出し、近代陶芸に多大な功績を残した楠部彌弐、主として花鳥をモチーフとし精緻な描写によって絵画性の高い絵付を施し、白磁焼成の本焼工程前に加彩を行う釉描加彩を創出した藤本能道、書・篆刻・絵画など幅広い分野において創作活動を行いながら、織部・備前・信楽・染付・赤絵など伝統のなかで独創性を発揮した陶芸作品を生み出した北大路魯山人、土や釉薬に関する豊富な知識、穴窯・登窯での焼成の研究成果を基に桃山期の黄瀬戸・志野・織部を現代に甦らせた加藤唐九郎など近・現代の重要な陶芸家の優品は見ごたえがあります。

 

 

問い合わせ先

福井県立美術館

福井市文京3丁目16-1

TEL0776-25-0452/FAX0776-25-0459

 

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