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平成19年度第8回所蔵品によるテ−マ展「横山操とその仲間たち」

 

 

1 名  称        平成19年度第8回所蔵品によるテ−マ展「横山操とその仲間たち」

 

2 会  期        平成20年2月29日(金)から3月31日(月)まで

 

3 会  場        福井県立美術館

 

4 開館時間      午前9時から午後5時まで(入場は閉館30分前まで)

 

5 休 館 日      3月10日(月)、17日(月)

 

6 観 覧 料      一般・大学生  100円 (団体30名以上は2割引)

                          高校生以下・70歳以上・障害者手帳等をお持ちの方は無料

 

7 主な作品

横山操「川」

川端龍子「花下行人」

米谷清和「朝」ほか

 

8 内容

 戦後の日本画界にあって革新的ともいえる大画面と大胆な筆致で一時代を築いた横山操。彼は、会場芸術主義、大作主義を唱えた川端龍子に賛同する一方、現在も活躍する福井出身の米谷清和等後進の育成にも力を注ぎました。本展ではそういった横山を中心とした仲間たちの活動をご紹介します。

 

9 解説

 大正91920)年新潟県に生まれた横山操は上京後洋画家石川雅山の弟子となり、昭和131938)年に光風会第25回展に入選します。翌14年には石川のすすめで日本画に転向し川端画学校に学び始め、この年院展に初入選、15年には青龍社展に入選します。しかし同年召集され、敗戦後はシベリヤで抑留生活を送ることとなります。戦後、帰還した横山は第22回青龍社展に出品、会場芸術主義、大作主義を唱えた川端龍子に賛同し、以降同展を主な活動の舞台として日本画の可能性を積極的に追求、33年には社人となります。

 画材、描法等を含め伝統的な日本画の枠組みから自由であろうとした横山は、ほとんど黒一色で描かれ、水面等に部分的に銀箔が使われた「川」(本展出品作、第1回個展出品作)や、暗赤色に着彩された漁網が湾曲線で構成され画面からはみ出すほど大きく描かれた「網」(本展出品作、第1回個展出品作)にみられるような、従来の日本画の枠にとらわれない大胆な大作をつぎつぎに発表し、さらには黒を基調に現実の社会に題材をとった激しい筆遣いの「溶鉱炉」「炎炎桜島」「塔」、寂寥感が漂う「朱富士」や一連の「赤富士」、現代感覚あふれる「ウォール街」等、次々に新しい境地を開き日本画壇に少なからぬ衝撃を与えました。

 37年には青龍社を脱退。以後はいかなる団体にも属さず自由な創作活動に専念した横山は、一方で、後進の育成にも力を注ぎ、静謐な線による構図や伝統的な花鳥風月等を取り入れた作風で高い評価を得ていた加山又造とともに(40年から)多摩美術大学日本画科で学生の指導にあたり、松下宣廉、米谷清和、小泉智英、中野嘉之等、多くの優れた作家が世に送り出しています。

 その後も豊かな叙情性を感じさせる武蔵野の風景を数多く描く等新しい展開をみせていた横山ですが、46年に病に倒れ、以後も苦闘の中で制作に励むも、48年に帰らぬ人となります。しかしながら豪放な作風と斬新な大画面で日本画の革新をめざした横山の画業と彼の仲間たちの足跡は、戦後の日本画を語る上で不可欠であり、今後ますます重要視されていくのではないでしょうか。

 

 

 

問い合わせ先

福井県立美術館

福井市文京3丁目16-1

TEL0776-25-0452/FAX0776-25-0459

 

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