福井の宝 島田墨仙展
平成23年3月4日(金)→ 3月27日(日)
福井県立美術館
チラシ表(PDF 791KB) チラシ裏(PDF 986KB) チラシ裏・子ども向け(PDF 549KB) 美術館だより関連号(PDF1.6MB)
「深慮」 個人蔵/「仕女読書図」 ふくい藤田美術館/「孔明秋夜祭北斗」 個人蔵 *画像クリックで拡大
島田墨仙(しまだ・ぼくせん 1867-1943)は日本画部門初の帝国芸術院賞受賞者であり、歴史人物画の第一人者として名を馳せた福井出身の日本画家です。福井藩士・島田雪谷の次男として福井城下に生まれ、9歳頃から父雪谷に就いて四条派を学び、満28歳の時に上京して橋本雅邦に師事します。雅邦から受けた指導と感化、福井藩士の家に生まれた誇り、さらには隣家に住んでいた幕末の偉人・橋本左内に対する敬慕の念などが支えとなり、墨仙の彩管からは威厳に満ちた幕末勤王の志士や先哲聖賢の名作が数多く生み出されていきました。文展や帝展を中心に活躍し、精神の充実した格調の高い画風が評価され、昭和17年度第5回新文展出品作「山鹿素行先生」では帝国芸術院賞を受賞しています。
「山鹿素行先生」や「塙保己一」といった墨仙の代表作や大下図、資料など約110点で構成する本展は、これまでごく一部の美術愛好家だけにしか知られていなかった墨仙の画業を多くの方々に知っていただくとともに、墨仙同様画家であった父雪谷、兄雪湖も含めた島田家の画系の全容を紹介する没後初の大規模な回顧展です。福井の宝ともいうべき墨仙の珠玉の作品の数々を是非ご堪能ください。
展覧会は5つの章立てを予定しております。
第一章「福井生れの武家育ち」
墨仙に武士気質の教育を授け、それからの人生に深い影響を与えた父雪谷と、墨仙同様画家を目指した兄雪湖の作品を紹介します。
第二章「生涯の師との出会い」
橋本雅邦という最良の師を得て絵に込める精神性を学んだ墨仙が、キリストや釈迦、孔子など東西の先賢の肖像を描くことに取り組んだ明治から大正にかけての作品が中心です。
第三章「清涼なる世界へのいざない」
三十八歳で再び東京に戻ってきた墨仙は、謹厳で力の入った作品を発表する一方で、少年時代から親しんだ漢籍や故事の高士雅人の穏やかでほのぼのとした姿も好んで描くようになります。第三章では大正から昭和期における多彩な表現の一つである、作家自身が画中に遊ぶかのような墨仙の清涼な世界を体感してください。
第四章「歴史人物画の大家として」
昭和に入った頃から墨仙は日本の幕末勤王の志士たちを始めとした実在人物の肖像画を描くことが多くなってきました。日本画部門初の帝国芸術院賞を受賞し、名実ともに歴史人物画の大家となっていくまでの墨仙の作品を紹介します。
第五章「雪湖とアメリカ 帝国主義と博物学」
アメリカの海洋調査船に乗り込んだ兄雪湖の博物学の仕事について紹介するとともに、日露戦争後、台頭してきた排日感情の高まりの中、一貫して日本擁護に立ったヘンリー・パイク・ブイとデイビッド・スター・ジョーダンという島田兄弟とは極めて縁の深かった二人のアメリカ人について紹介します。
「雲中飛瀑図」 個人蔵/「梅月」 個人蔵/「高駢」 個人蔵 *画像クリックで拡大
<詳細情報>
休館日: 3月14日(月)
開館時間: 午前9時〜午後5時 (入館は午後4時30分まで)
観覧料: 一般800円、大高生500円、中小生300円 (30名以上の団体は2割引)
身体障害者手帳所持者とその介護者1名半額(障害者手帳に介護印のある方のみ)
主催・会場: 福井県立美術館
後援: 福井市教育委員会、福井新聞社、NHK福井放送局、FBC福井放送、
福井テレビ、FM福井、福井ケーブルテレビ株式会社・さかいケーブルテレビ株式会社
関連企画: ■親子歴史ワークショップ「墨仙展で橋本左内の時代を知ろう」(PDF1.1MB)
日時:平成23年3月12日(土)午後2時より
講師:福井市立郷土歴史博物館学芸員
福井県立美術館学芸員
※要申込(詳細は県立美術館までお問い合わせ下さい)
■担当学芸員によるギャラリー・トーク
平成23年3月19日(土)、21日(月・祝)
※各日とも午後2時より会場にて(要チケット)
■講演会「島田墨仙と近代の日本画」
日時:平成23年3月20日(日)午後2時より講堂にて(聴講無料)
講師:塩谷純氏(東京文化財研究所 企画情報部文化形成研究室長)
お問合わせ: 福井県立美術館 担当/佐々木
〒910-0017 福井県福井市文京3丁目16-1
TEL:0776-25-0452(一般受付・利用サービス室)
FAX:0776-25-0459(FAX専用)
E-mail:finearts@pref.fukui.lg.jp
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