ストラスブール美術館展 ゴーギャン、ピカソからローランサンまで/2012年4月20日(金)−5月20日(日) 福井県立美術館
◎ダンテ・ガブリエル・ロセッティ
《解放の剣にキスをするジャンヌ・ダルク》
1863 年 油彩・カンヴァス
ジャンヌ・ダルクは「オルレアンの乙女」とも呼ばれる、フランスの英雄にして聖人。
輝くような色彩と古典的なポーズにより、百年戦争での勝利と解放が表現されています。
作者ロセッティは、イギリスのラファエル前派を代表する画家。
同時代の美術に反対し、初期ルネサンス以前の美術に理想を求め、宗教や道徳、職人のわざと精神を重視した作品を制作しました。
◎ポール・ゴーギャン《ドラクロワのエスキースのある静物》
1887 年頃 油彩・カンヴァス
エキゾチックな果物や野菜は、黒い輪郭線で囲まれ、色彩を生き生きと輝かせています。
都会の文明を捨て、ゴーギャンが南の島に旅立つのは、この作品が描かれた年といわれています。
「失楽園」を描いた背景の絵と、南方の果物の対比には、彼の決意が隠されているのかも知れません。
◎アルフレッド・シスレー《家のある風景》
1873 年 油彩・カンヴァス
強い日射しの中、木陰の片隅に対面した時の心地よい感動そのものを、シンプルな構図によって見事に表現しています。
パリで学んだシスレーは、ルノワールやモネとともに戸外で制作し、印象主義の画風を確立していきました。
◎ピエール・ボナール《テーブルの上の果物鉢》
1934 年頃 油彩・カンヴァス
何より目を引くのは、画家の色彩家としての才能でしょう。
ボナールは、独自の色彩処理によって、独特の空間表現を展開しましたが、それは時として抽象画へと近づいています。
◎マリー・ローランサン《マリー・ドルモワの肖像》
1949 年 油彩・カンヴァス
最も有名な女性画家の一人である、ローランサン。
真珠を思わせる灰色と、柔らかなバラ色の輝きに包まれた優美な女性像は、誰をもうっとりとさせてしまいます。
本物の感動を、ぜひ美術館で!