スポーツウェア等のアパレル製品に付与される撥水加工には広くフッ素化合物が使用されてきましたが、近年、フッ素化合物は環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性懸念の観点からフッ素フリー系化合物への切り替えが進められています。ところが、従来のフッ素フリー系化合物ではフッ素系ほどの撥水性能が得られないため、その解決策が求められていました。当社が開発したフッ素フリー系撥水剤「ネオシード®NRシリーズ」は、フッ素系撥水剤に匹敵する優れた撥水性のみならず、撥水加工後の生地物性(ソフトな風合い、耐摩耗性、縫目滑脱抵抗性等)への影響にも配慮した製品です。
当社は繊維加工用薬剤の世界的トップメーカーとして、健康と環境により優しいフッ素フリー系撥水剤の研究を積み重ね、業界に先駆けてグローバルに展開してまいりました。「ネオシード®シリーズ」は、現在、世界の大手アパレル・スポーツメーカーにて採用が進んでおります。
衣服や靴・財布、カーシート、ソファなど様々な皮革製品には、天然皮革と共に人工皮革が使用されており、近年は機能性・耐久性・意匠性において、天然皮革と比べても遜色のない人工皮革が開発されています。
しかし、それら人工皮革の多くは、有機溶剤を用いたウレタン樹脂を原料にしているため、VOC(揮発性有機化合物)やシックハウス症候群などの課題があり、環境への配慮から、水系ウレタン樹脂を用いた人工皮革のニーズが高まっています。
当社は独自の樹脂合成技術や界面科学を駆使し、有機溶剤を用いない環境にやさしい水系ウレタン樹脂を開発。環境にやさしい人工皮革の提供に貢献しています。また、人工皮革メーカーが求める質感、強度、耐久性、染色性などの物性において、従来の有機溶剤系ウレタン樹脂を用いた人工皮革に匹敵する性能を達成し、高い評価を得ています。
ユニフォームやマット、モップ等に多用されているポリエステル繊維は油汚れとなじみ易いという性質があり、長期繰り返し使用による逆汚染(クスミ)が発生しやすいという問題を抱えています。しかし従来の洗浄剤ではポリエステル繊維に付着した油汚れに対する洗浄性や逆汚染防止性は十分ではありませんでした。
当社の「グリーンパルシリーズ」はこれらの問題を解決すべく、当社の界面科学で培った技術を駆使した特殊界面活性剤(特許取得)を配合し、特にポリエステル素材等の合成繊維に付着した油汚れに対して非常に高い洗浄力(除去力)を発揮するだけでなく、逆汚染(クスミ)の発生も防止しています。これらの技術により洗浄後の衣料(リネン品)を繰り返し使用できるため、廃棄ロスにも繋がっています。
ホテルや病院など不特定多数の人が集まる施設で使用するカーテンは災害時の安全対策として、消防法で定められた防炎性能基準を満たしていなければなりません。当社は独自で開発した特殊な界面活性剤と分散技術を駆使し、カーテンなどの繊維製品に防炎性能を付与する防炎加工剤を製造・販売しています。同薬剤は人体や環境に配慮した原料を使用しており、カーテン類のみならず、自動車、電化製品等幅広く使用され、国内シェアナンバーワンを誇っています。
カーテンなどの繊維製品は、洗濯を繰り返しても同等の防炎性能を維持する洗濯耐久性が求められます。当社の防炎加工剤は、防炎カーテンに用いられるポリエステル繊維を染色加工する際に、染料と同様に繊維内部に吸収されるため、高い洗濯耐久性を有しています。また防炎加工の際に発生する生地の染色ムラや染色機械の汚れといったリスクを低減するよう設計しているため、加工時のトラブルも防止できます。
商業クリーニングには、水で洗う「ウエットクリーニング」と、溶剤で洗う「ドライクリーニング」がありますが、ドライクリーニングは、化粧品などの油汚れは落ちやすい一方、汗や食べこぼしなどの水溶性の汚れは落ちにくい性質を持っています。水溶性の汚れを落とすためには、しみ抜きなど特殊クリーニングの併用や、ウエットクリーニングを行うなどの処理が必要ですが、手間がかかるうえ、生地の収縮や色落ちが起きるなど多くの問題点がありました。そこで、当社は商業クリーニング用薬剤のトップメーカーとして、水溶性の汚れを格段に落ちやすくした画期的なドライクリーニング用薬剤「ドライスターWP-1」を開発。新技術(浸透・界面可溶化作用の融合)により水を使わずに水溶性の汚れを落とせるため、工程短縮に貢献しています。当社は商業クリーニング薬剤の製造販売において、国内シェアナンバーワンを誇っています。
美容師のテクニックを徹底的に考慮した作業性の良さに加えて、従来品に比べて、刺激臭や髪へのダメージ低減を実現したヘアカラー剤を開発。ヘアカラー施術をする方、される方、双方の快適性が向上しました。
5つのシリーズから構成される195色の多彩な色揃えも、当製品ならでは。5つのシリーズが連携しているため、白髪染め、おしゃれ染めなど様々なヘアカラーリングにおいて、希望の明るさや色味を実現します。さらに、ヘアカラー剤の作用は髪質によって変化するため、薬剤の塗布を慎重に行う必要がありましたが、髪質に対応した薬剤が豊富にラインナップされているため、髪のコンディションに応じた最適なカラーリングを提供しています。
代表者 | 代表取締役社長 江守 康昌 |
---|---|
連絡担当者 | ・防炎加工剤、人工皮革用水系ウレタン樹脂、フッ素フリー系撥水剤 …繊維化学品事業部 ・ドライクリーニング用洗剤、リネン用液体洗剤 …クリーニング&メディカル事業部 クリーニング事業推進部 ・ 美容室向けヘアカラー剤 …デミコスメティクスお客様相談室 |
設立 | 1941年9月 |
資本金 | 28億9,854万5,000円 |
従業員数 | 1,472名(連結) |
売上高 | 506億2,700万円(連結) |
主要取引先 | 興和江守、オー・ジー長瀬カラーケミカル 他 |
事業内容 | 繊維工業用はじめ各種工業用界面活性剤および化粧品の製造・販売 ・繊維加工用 ・クリーニング用 ・情報記録紙用 ・製紙用 ・特殊化学品 ・化粧品 |
「世界中のお客様から最も信頼されるイノベーションカンパニー」を目指し、EHD(環境/Ecology 健康/Health 先端材料/Digital)を軸に、未来に向けた様々な挑戦を続けてまいります。