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報恩講
食の風習
11月(~1月)
県内
報恩講とは浄土真宗の親鸞聖人の恩徳を謝する行事。門徒が寺に集まって午前・午後のおつとめを行い説教を聞くなど、ほぼ1日かけて行われます。
そのときの昼食をお齊(おとき)と言い、一汁三菜を基本に、厚揚げとじゃがいもの煮物、ナスの煮物、すこ、白和えなど様々な福井の郷土料理が並びます。
この「報恩講料理」を挟んで会話を交わすひとときは、世代をこえた交流の場にもなっています。 -
アラレガコ漁
伝統行事
11月(~1月)
県内
[ 九頭竜川流域 ]
九頭竜川流域に生息し、幻の魚とも呼ばれるアラレガコ。体長20センチほどのカジカ科の魚で、九頭竜川流域には独特の漁法と、刺し身や甘露煮、空揚げにして味わう食文化があります。
河川改修などの影響で生息数が減少し、2008年頃を最後に漁は行われなくなりましたが、2016年九頭竜川流域で復活。高さ3メートルほどの円すい形の竹かごを横に倒して川に仕掛ける伝統漁法「エバ漁」とともに、貴重な食文化を継承しています。 -
タタキ網漁
食の風習
11月(~3月)
若狭町
[ 若狭町 三方五湖 ]
大正末期から三方五湖に伝わる伝統的な漁法。竹竿で水面をたたいて湖底にいるコイやフナを驚かせ、仕掛けておいた網に追い込みます。タタキ網漁に用いる網の目の大きさは13~16cmの間ですが、乱獲を防ぐためにその年の幼魚の生育具合で替えられます。また、外来生物の繁殖を防ぐ役割も担っています。
獲れたコイは淡水魚独特の泥臭さもなく、刺身をはじめ甘露煮や味噌汁にしていただきます。 -
熊川葛 寒晒し
食の風習
11月(~3月)
若狭町
[ 若狭町熊川 ]
質が高いことで全国に知られる「熊川葛」は、日本三大葛の一つです。
11月から3月頃、厳寒の中で、熊川を流れる自然の清流により行われる、丁寧な「寒ざらし」により、高品質の葛ができあがります。この若狭地域の里山における熊川葛の生産技術は、2016年に日本森林学会から林業遺産として認定されています。
夏はひんやりとした葛まんじゅう、冬は温かい葛湯が人気です。 -
コウノトリ「コウちゃん」飛来日
記念日
12月2日(1970年)
越前市
[ 越前市 白山・坂口地区 ]
1970年12月、白山・坂口地区に1羽のコウノトリが飛来しました。
地元の子供達はコウノトリの観察を行い、このコウノトリに「コウちゃん」という名前を付けました。
県ではコウノトリを自然再生のシンボルとして、豊かな自然を守る活動が、各地域で行われています。 -
アイノコト
伝統行事
12月5日
越前市
[ 越前市余田町 ]
旧暦11月5日(現在は12月5日)に行われる収穫を感謝する祭りです。
余田町には田の神さま「アイノコト」がまつられている祠が3カ所あり、ぼた餅をお供えしたのちに、祭りに参加した人たちで味わいます。田の神をまつり供物を供えて饗応し、神と人が共食することから饗の事(アイノコト)と呼ばれます。 -
南部陽一郎 ノーベル賞受賞
記念日
12月10日(2008年)
福井市
福井市ゆかりの物理学者、故南部陽一郎博士が2008年12月10日にノーベル物理学賞を受賞。福井県では、県立こども歴史文化館に「南部陽一郎・科学ワールド」を設けてその生涯を紹介しています。
南部博士は、ふくいの子どもたちへ「Boys and Girls Be Ambitious!」というメッセージを残しています。 -
おしたきどんど
伝統行事
12月上旬
若狭町
[ 若狭町仮屋 八幡神社 ]
若狭町仮屋区で300年以上続くとされる、5歳を迎えるこどもたちの成長を祝う伝統行事。高さ5mの炎を囲み子どもの健やかな成長を願います。
その昔、38人の子どもたちを引き連れて仮屋を訪れた方がなくなってしまったため、寒さに震える子どもたちのために、各家からわら一束を持ち寄りドンドをして温めてあげたことに由来するとされます。 -
山の神講(やまのかんこ)
伝統行事
12月上旬
敦賀市
[ 敦賀市赤崎区 ]
赤崎に古くから伝わる、山の神様に感謝する伝統行事。
赤崎区の小学生が裸に白短パン、白足袋姿になり、「力めし」と呼ばれるおにぎりを食べてから、「やーまのかんこのまーつりじゃ」と大声ではやしながら山道を駆けあがります。
500m先の「大日堂」に着くと、山の神へお供えをし、すりつぶした米とお神酒を混ぜた「しとぎ」を顔や体に塗りつけて、駆け戻ります。 -
みやあげ
伝統行事
12月上旬(12月第1日曜)
敦賀市
[ 敦賀市 刀根 ]
刀根区で約400年前から続くといわれる神事。
約1700年前、仲哀天皇が敦賀を訪れた際、牛車の牛が倒れ、急きょご滞在になり、そのときに、住民が餅を献上して喜ばれたという故事にちなんで始まったといわれています。
紺色の着物にたすき姿の男衆が、餅つき歌と太鼓で景気をつけながら、長さ約1.5mの棒杵で餅をつきます。
この餅を食べると、一家の健康と幸せと繁栄があるとされています。
ついた赤餅は短冊形、白餅は牛の舌の形に整えられ、区内の気比神社に供えて五穀豊穣に感謝します。 -
しめ縄づくり
伝統行事
12月中旬頃
県内
[ 県内各地 ]
しめ縄は、天照大神が岩戸に二度と隠れないよう縄を張ったという日本神話に由来し、年神様を迎えるのにふさわしい神聖な場所であるということを示すために飾ります。さらに、そこに不浄なものが入らないための魔除けの役割もあります。
福井市の出雲大社福井分院では、長さ約5m、重さ800キロ以上にもなる大しめ縄を、20人以上の人によって交換するのが恒例行事となっています。
また、各地の小学校や保育園などでは、地元の老人クラブや神社の宮司がしめ縄の由来や作り方を教える活動を行っています。 -
煤払い
伝統行事
12月中旬頃
県内
[ 県内各地 ]
12月13日は、正月を迎える準備を始める「事始め」の日とされており、その際に一年間の汚れを落として清める「煤払い」が行われます。昔は薪や炭が火種として使われていたため、煤を払うことが重要とされていました。
坂井市の成田山では12月13日を「ご本尊お身拭いの日」と定めて、たまったほこりや煤を払い、門松などの縁起物の準備をして新年を迎える準備を行います。 -
新福井県民歌の制定
記念日
12月20日(2014年)
県内
[ 県内各地 ]
1954年に生まれ、歌い継がれてきた福井県民歌が、2014年12月20日に、坂井市出身の世界的指揮者である小松長生さんの作曲により、より親しみやすく歌いやすい曲調に生まれ変わりました。
福井県民歌は県民の財産であり、県では今後も機会を捉えて普及に努めていきます。 -
鯖のなれずし「味の箱舟認定」
食の風習
12月21日(2006年)
小浜市
[ 小浜市東部海岸地帯 ]
小浜市に古くから伝わる「鯖のなれずし」は、鯖を糠で漬けたへしこを塩出しにし、麹を混ぜたご飯を、背を開いた鯖の中に入れて閉じ漬けたもの。先人の知恵による逸品で、お正月や祭りなどで食されます。「すし」の研究者たちは、”わが国古代の「鮓」は、なれずしであった”と説いています。
また、2006年12月21日には北陸で初めて、スローフード協会が提唱し食の世界遺産といわれている「味の箱舟」に認定されています。
嶺南地方でとれた新鮮な魚介類は古くから京都へ運ばれ、特に鯖が多かったことから両区間を結ぶ街道は「鯖街道」と呼ばれるようになりました。2015年には海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群として日本遺産にも登録されています。また、街道には小浜を起点にしたもの以外に、高浜を起点とした「西の鯖街道」と呼ばれるルートもあります。 -
年越しの風習
食の風習
12月31日
県内
[ 県内各地 ]
年越しそばは江戸時代から続く風習であり、そばは他の麺類よりも切れやすいことから「今年一年の災厄を断ち切る」という意味で、大晦日に食べられています。「越前そば」と呼ばれる福井のそばは大根おろしと出汁をかけて食べるのが特徴です。大晦日には年越しの時間帯に多くの寺院で除夜の鐘が撞かれ、厳かな雰囲気の中で新しい年を迎えます。
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除夜の鐘
伝統行事
12月31日
県内
除夜の鐘は108回つきますが、その由来には過去、現在、未来にわたる人間の煩悩をあらわし、鐘をついてそれを鎮めて解脱するという説や、十二か月と二十四節気と七十二候を合わせた数という説があります。
曹洞宗大本山永平寺では大みそかの夜、伽藍のライトアップが行われ、大勢の参拝者が訪れる中、鐘の音が鳴り響きます。
福井県は寺院数も多く、それぞれの地域の寺に住民が集い、除夜の鐘をつき年を越します。 -
冬至南京
食の風習
12月下旬
県内
[ 県内各地 ]
冬至は1年で日照時間が一番短い一日。この日を境に日が長くなることから弱まった太陽の力が甦ってくるとされ、冬至を境に運が向いてくると考えられています。そのため「ん」のつくものを食べると運を呼び込めるといわれ、南京を食べる風習が定着。
福井では悪い気を除くといわれている小豆を南京と一緒に煮て食べる風習が見られます。福井県の伝統的な食文化のひとつです。 -
おせち料理作り
食の風習
12月下旬頃
県内
[ 県内各地 ]
おせち料理は年神様に供えるための供物料理です。
もともとは、季節の節目に行う節供の料理を「御節料理」といい、やがて正月だけをさすようになりました。また、かまどの神様を休めるため、作りおきできる料理を中心に、家族の繁栄を願う縁起物が並びます。特に数の子・田作り・黒豆を「三つ肴」といい、正月には欠かせないものとされています。関西では、黒豆ではなくたたきごぼうを加えます。
12月の下旬ごろには、スーパーに紅白のかまぼこや昆布巻き、伊達巻などが並び、各家庭でも数の子の塩抜きや黒豆の水戻しなど、正月を迎えるためのおせちづくりに取りかかります。 -
イッショウミズ
地域の催事
結婚の時期
県内
新婦が婿家へ入るに先立ち、玄関先で一升枡の中の茶わんの水を飲みほす結婚の儀式。一升は一生に通じていて、「一生涯その家の水を飲ませてもらう」「一生涯その水が口に合うように」という意味が込められています。地域によって、飲んだ後に茶碗を落として割る、水の中に石を入れることで健康を願うなどの違いがみられます。
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万寿まき
地域の催事
結婚の時期
福井市,坂井市
[ 福井・坂井地区 ]
新婦を一目見ようと集まった人たちに向けて、まんじゅうを手渡したり家の二階などから景気よくまく結婚の風習。明治時代後期から始まったともいわれており、まんじゅう以外に餅や菓子がまかれることもあります。饅頭は「万寿」とも書く吉事にふさわしい和菓子であり、かつては盛大に行われたとされます。現在も姿を変えて結婚式場などで行われています。
※写真は福井新聞社提供(一部除く)